結論
ということで、駆け足でRadeon HD 6850/6870の性能を確認してみた。確かにRadeon HD 6870の場合、Radeon HD 5870と互角というにはちょっと難がある。勿論アプリケーション次第なところもあり、DirectX 11への対応が進んだアプリケーションではRadeon HD 5870を上回るケースも見受けられるが、従来のアプリケーションに関して言えばまだRadeon HD 5870の方が上である。その意味ではPhoto08に出てきたように、丁度Radeon HD 5850と互角の性能で、恐らく消費電力は同等ながら、より安価に提供される事になる。Radeon HD 6850はもうちょっと下がるから、Radeon HD 5830あたりだろうか? いずれにせよ、Radeon HD 5770よりは大分上という事になる。
今回、記事執筆時点では各々のボードの価格が不明だが、海外サイトではRadeon HD 6870が$249、Radeon HD 6850が$199と伝えられているようだ。真偽の程は不明だが、Photo01にはマッチする価格付けで、そう外れていないように思う。現状、国内ではRadeon HD 5850が\25,000~\30,000弱といったあたりで販売されており、当初はプレミアがつくからもう少し高値(\32,000前後?)になるだろうが、長期的には2万円台前半あたりまで落ちてきそうだ。もっとも価格面から見ると、むしろRadeon HD 6850の方がいいかもしれない。2万を切る価格で、そこそこの性能が確保されており、場合によってはRadeon HD 5870と互角で、しかも遥かに消費電力が少ない。
また今回のテストで、続くCayman世代への期待も持てる事になった。未だCaymanシリーズの詳細は明らかになっていないが、もしRadeon HD 5870同様に1600SP構成が用意されれば、実質的には大幅にRadeon HD 5870を上回る性能になることが期待できるからだ。もっともこのあたりは消費電力との兼ね合いもあるから、どの程度まで実現できるかはまだ藪の中ではあるのだが。
流石にRadeon HD 4870→5870の時の様な大幅な性能アップは無理ではあった(同じプロセスを使う以上、これは無理だろう)が、小技を効かせて実効性能を上げてきたのがRadeon HD 6000世代、ということになるのだろう。