消費電力(グラフ20)
最後にこちらを確認してみた。Idleは無負荷時、Game 1/2は3DMark VantageのGame Test 1/2実施時の実効消費電力ピーク値(PresetはExtreme)である。一応理論値をまとめておくと、各製品の消費電力は、
製品 | 待機時 | 最大 | 消費電力差 |
---|---|---|---|
Radeon HD 5770 | 18W | 108W | 90W |
Radeon HD 5870 | 27W | 188W | 161W |
Radeon HD 6850 | 19W | 127W | 108W |
Radeon HD 6870 | 19W | 151W | 132W |
となっている。で、実際は? というわけだが、Idleはなぜか一番消費電力の多いはずのRadeon HD 5870も横並びの109Wで、むしろRadeon HD 6870のみ111Wとちょっと高めになっているが、この辺りは個体差があるのだろう。
さて、実際の結果からやはり差(Game 1/2実施時の消費電力から待機時の消費電力を引く)を見てみると、
製品 | 消費電力差(Game1) | 消費電力差(Game2) |
---|---|---|
Radeon HD 5770 | 105W | 100W |
Radeon HD 5870 | 178W | 168W |
Radeon HD 6850 | 126W | 120W |
Radeon HD 6870 | 141W | 137W |
となる。上の理論上の消費電力差と比較すると5~15Wほど多くなっているが、実際にはCPUやメモリ、PCIeバスなどの利用率増加に伴う増分もあるから、それを勘案するとほぼセオリー通りという事になる。大きく消費電力削減、という訳にはいかないにせよ、確実に消費電力減少が実現できた事が再確認できた形だ。
追記: 本稿のベンチマークテストを終了して機材返却後に、AMDよりRadeon HD 6850のBIOS Updateの連絡が到着した。これによれば、サンプル出荷したRadeon HD 6850の初期ロットの中に、電圧レギュレータのパラメータに不具合のあるものがあり、これにより待機時の消費電力が本来よりも高くなるケースが見られるとの事だ。ただこれは性能面には一切影響なく、またRadeon HD 6870に関しては問題がないとのことである。今回の場合、Radeon HD 6850についてはAMDのサンプルではなくSAPPHIRE Radeon HD 6850を利用していること、また待機時消費電力もそれほどおかしい値に見えないことから、特に追テストは行わなかった。そんな訳で、一応可能性的にはもう少しIdleにおける消費電力が下がる可能性がある、という事だけ申し添えておきたい。