今回、『天守物語』にて秋元が演じるのは、美しき魔性の姫。人間界の男性と恋に落ちてしまい、揺れ動く難しい役どころだ。制作発表会見でも「新しい一面を見せたい」と言っていた姿が印象的だったが…。
秋元「姫なんですけど、世間一般でいう姫とはちょっと違う妖怪のお姫様役。最初、本を読ませていただいたときに、こんな奇想天外なお話と出会ったのは初めてだったのでこれをどう演じようって。どうやって気持ちが変わっていくんだろう、と今も模索中なんです」
――人間の男性に惹かれていく物語ですよね。
秋元「そうです。目が見えなくなったり悲劇が訪れたり…。こんな結末? って思うんですけど、よくよく考えるとこういう恋愛ってあるよねって」
――それはどこに共感を持たれたんですか?
秋元「人間ってわからないなって。恋愛とか人の心とか、なんでこうなったんだろうって説明つかないことがあるので」
――なるほど。
秋元「『愛するあなたに殺されたい』というセリフがあって。愛するっていうことの重みや大切さを感じますよね。どこかでみんなそういう風に愛してもらいたいっていうところがあるんじゃないかなって思うんです」
『ACT泉鏡花』
文豪 泉鏡花と芸者すゞの物語を縦軸に、鏡花の代表作『天守物語』『海神別荘』『湯島の境内』『絵本の春』などの傑作の数々を紡ぐ物語。泉鏡花の代表作品の数々から感じ取ることができる言葉のリズムや絵画・映像的なイメージを昇華し、作り出されたオリジナルの音楽が劇中で融合し構成される――。
――舞台上ではラブシーンもあるんですか?
秋元「あります。探りつつやってますね」
――ラブシーンを演じている秋元さんの様子はどうですか?
秋元「うけるよね(笑)」
佐藤「私たちは侍女役で、自分自身の役を演じているときももちろん楽しいんですけど、才加ちゃんの図書さまとの絡みを見ているのが本当に面白くて(笑)」
秋元「(笑)」
佐藤「AKB48での才加ちゃんは、けっこうカッコイイ感じのイメージだと思うんですね」
――そうですね、「クールな秋元さん」と評されることが多いような。
佐藤「私は実際に才加ちゃんを知っているので、ふつうの女の子だってことは知っているんですけど、世間一般のイメージだとたくましくって男らしいってイメージがあると思うんですよ。私たちが才加ちゃんはもっと女の子なんだよ! ってことをアピールしても、チームKの楽曲もカッコイイものが多くてなかなか伝えられなかったところがあって」
秋元・仲川「(笑)」
佐藤「だから、この舞台を観たら、秋元才加の新しい一面に出会えますよ。そう思いながらいつも稽古を見ています!」(キッパリ)
秋元「そんなに~?」
――そこまでいつもとは違うんですね。
仲川「はい、女になってます!」
秋元「もともと女だよ!」
――(笑)どこらへんが?
仲川「顔つきとか、言い方とか(笑)。いつもの才加ちゃんと違って」
――素はどっちなのでしょうか?
仲川「どっちも素だとは思うんですけど。(女の部分は)普段、隠しもっていて」
秋元「(笑)」
仲川「AKBでは出せないキャラなんですよ。だから、女なんだぞ! ってところを見せられる場所ですね、今回の舞台は」
秋元「なにアピールなの、それ」
佐藤「でもさ、キャラ違いだったら、はるごんも。普段はうわぁってうるさくてっていうコなんですけど。今回演じる桔梗さんはけっこう乙女ちっくでおとなしくて、いつものはるごんとは違うんですよ」
仲川「だから、稽古はだいぶ大変です」
――しゃべりたくてしょうがない感じですか?
仲川「手つきとかもこんな感じなんですよ(と両手を重ねたポーズ)。こんな動きふつうしないじゃないですか。気をつかってますね」
――お作法を教えてくれる先生もいるんですか?
仲川「いないんですよ。だから、周りの方々の見よう見マネで。大河ドラマとかも好きなのでおばあちゃんと一緒に見て勉強しています」