Sandra 2010 Engineer Edition(グラフ1~8)

SiSoftware
http://www.sisoftware.co.uk/

まずはSandraから。グラフ1にDhrystoneとWhetstoneの結果をまとめたが、まぁほぼセオリー通りというべきか。マルチスレッドに対応しているので、Core i7-970のスコアはCore i5-650の3倍強(「強」になるのは、メモリコントローラがCPUコアに内蔵され、しかも3ch構成であることで、1.5倍程度の帯域とより低いレイテンシを実現していることに起因する)になっており、それでもCore i7-980Xにはやや及ばない程度である。なぜかJavaや.NETの仮想マシン環境ではCore i7-970の方がやや良いスコアになっているが、これは誤差の範囲と見做してよいと思う。こうした傾向はほぼMulti-Media Benchmark(グラフ2)やCryptgraphy(グラフ3)にも反映されている。

逆にCore i5-650のスコアが他を上回るのは例えばVideo Memory Benchmarkである。このテストではDirect3D 11/Direct3D 10.1/Direct3D 10の3つのAPIでそれぞれビデオメモリとメインメモリの間の転送速度を測定した結果の平均をとったが、Core i5-650ではPCIeのRoot Complexとメモリコントローラが(GPUコアと一緒に)CPUコアとは別チップの形でまとめられており、相対的にGPUとメモリの転送が高速であることに起因する。とはいえ、確かに高速は高速なのだが、其の差は極僅かでしかないことも確認できる。

その一方でメインメモリのアクセスに関しては、グラフ5~8で判るとおり、やはり3chのメモリコントローラを内蔵するCore i7系が圧倒的である。グラフ5はまぁマルチコアがそのまま反映されるから致し方ないとして、グラフ6でCore i5-650(理論帯域はPC3-1333×2=21.3GB/sec)とCore i7系(理論帯域はPC3-1066×3=25.6GB/sec)を比較すると、前者が効率50%そこそこ、後者は60%超えをしているあたりが、Core i7系の有利さの理由の一つである。特にアクセスのLatencyに関してはSequential(グラフ7)、Random Access(グラフ8)共にCore i5-650が大分大きくなっているのが再確認できる。このあたりが最終的な性能にどこまで反映されるか、は興味ある部分だ。