プロジェクタ編

まずはピコプロジェクタを搭載したデジタルビデオカメラ「DV S11」。カメラ部分は5MピクセルのCMOSで単焦点。1080pフルHDで30fpsの動画が撮影可能とされている。本体裏面には3.5インチ16:9アスペクトのタッチスクリーンを備えるほか、HDMI端子を備えテレビにも出力でき、本体側面にはプロジェクタ機能と、3通りの方法で映像チェックができる。なおプロジェクタ自体は320×240ドットだが、投影デモを見る限り、撮った映像をみんなで楽しむという用途であれば十分であるように感じる。先行する製品が無いわけではないが、この製品は手軽なビデオ用としてコンセプトは通っている印象だ。

ピコプロジェクタを内蔵したデジタルビデオカメラ「DV S11」

通常、映像を録画する際にはこのようなスタイル

ピコプロジェクタは本体側面に搭載されている

「MX880UST」は短投影モデル。本製品の場合78インチの解像度を48cmという投影距離で実現している。解像度はXGA(1,024×768ドット)。2500ルーメン(ANSI)の光量でコントラスト比は3000:1。また、USB端子を備え、フラッシュメモリに保存したデータからのPCレスプレゼンテーションが可能とされるほかリモートデスクトップやLAN経由でのコントロールなどに対応しているとされる。なお、製品の末尾にSTあるいはUSTと付くのが同社の短投影モデルのネーミングルールだ。また、「MP780 ST」の対応機能として紹介されていたのが「PointDraw」という機能。ペン型のワイヤレスUSBマウスといったイメージで、プレゼンテーションに対してカーソルを動かしたり、専用UIのツールを介してドローイングなどが行える。教育機関向けにインタラクティブ性を付与する製品だ。

短投影モデルのMX880UST

MX880USTでは投影面から48cmという距離で78インチのスクリーンが得られる

MP780 STによるPointDrawのデモ。ワイヤレスマウス的なものでありお絵かきなどが可能。基調講演中のデモでは教室の子供が離れた距離から投影された問題に答えを書くといった使い方が提案されていた

いちおうペン型をしているPointDraw。マウス操作用にボタンがあるほか、USB端子も備えPCと接続して充電することもできる

「MW811ST」は最近発表された製品だが、WXGA解像度に対応した3D対応プロジェクタ。液晶シャッター式の3Dメガネで視聴できることに加え、短投影モデルで95インチの解像度を1mの投影距離で実現している。光量は2,500ルーメンでコントラスト比は4600:1。USBリーダー機能やリモートデスクトップ機能なども備える。もうひとつ「W600+」も液晶シャッター式3D対応モデル。詳細なスペックは出ていなかったが、高輝度ランプと高コントラストが特徴に挙げられていたほか、HDMI端子を2系統装備しているとの記述があった。

MW811STは3D対応のプロジェクタ。液晶シャッター方式のメガネを利用する

もうひとつ3D対応プロジェクタとされていたW600+。仕様はほとんど明らかにされていないが、高輝度・高コントラストがうたわれている

「MX750」はちょっと変わったデモだった。この製品はWLANを搭載しており、PCのデスクトップとWLANで接続ができる。いちおうドングルが必要であり、今回は有線LANで接続されていたが、そのPC側をコントロールしているのがプロジェクタ側に装着されたUSBワイヤレスキーボード&マウスなのだ。スタッフの説明によれば、USBのWLANドングルに関しては、MX750側にドライバが仕込まれており、BenQの純正WLANドングルしか受け付けないという。一方でUSBワイヤレスキーボードとマウスはLogitech製のもので、試した限りではPCをコントロールできており、LANを通じてPC側と接続していたことになる。この横では先の「IP Monitor」がデモされていたことから、この製品もそれと同様のコンセプトなのかもしれない。

クラウド的プロジェクタのデモに用いられていた「MX750」。本体を見るとLANケーブル、キーボード&マウス用のUSBドングル、電源ケーブルしか接続されていない

こちらがデモの全景。手前の台の上のワイヤレスキーボードとマウスで投影されているデスクトップの操作が可能だった。なお、WLANドングルに関しては、この製品だけではなく、最近発売された製品(の一部)でも利用できるとのこと

そのほか「SH960」は光量が6,500ルーメンでフラッグシップと呼べるスペックな製品

同じくSH960の投影シーン。1080pフルHDに対応しており、HQV認定も受けているとされる。スペックからすればホームエンタテインメント向けとも思えるが、スクリーンにはClassroomsという表記もあるように教育市場向けともとれる

日本国内での展開は難しいとされるが、少しテレビについても触れておこう。BenQのテレビ製品でも現在のトレンドはLEDバックライト、そして3Dだ。ここでは3Dテレビについて2つのコンセプト展示を紹介したい。ひとつは偏光表示方式の3Dテレビで、液晶シャッター方式と比べ安価に提供できるとしている。そしてもうひとつはレンチキュラーレンズを用いた裸眼立体視タイプの3Dテレビだ。偏光表示方式はシャッター式ほど重装備ではないにせよメガネが必須。一方でレンチキュラー式はメガネ不要でその点楽に視聴できるが目が疲れる印象だ。もちろんシャッター式のテレビも製品化されており、BenQもいくつかの方法で模索を続けているようだ。

偏光表示方式の3Dテレビ(右)とレンチキュラーレンズ方式の3Dテレビ(左)