クアッドコアのCalpellaプラットフォームを採用したハイエンド仕様
このように、表示、入力周りに特徴がある本製品だが、もちろん基本性能にも妥協はない。プラットフォームはインテルのCalpellaがベースになっている。従来製品となるW700dsでは、Montevinaプラットフォーム(Core2 Duo+Intel 4シリーズ・チップセット)ベースになっていたので、この点が従来製品に比べての強化点となる。
ThinkPad W701dsのCPU-Z表示。レビューに利用したマシンはCore i7-920XM Extreme Edition(2GHz、ターボモード時3.2GHz、8MB L3)が搭載されていた |
本製品で採用されているCPUは、プロセッサナンバーの末尾に"QM"や"XM"がつくクアッドコアのCore i7となっている。原稿執筆時点で選択ができるのは、Core i7-720QM(1.6GHz、ターボモード時2.8GHz、6MB L3)、Core i7-820QM(1.73GHz、ターボモード時3.06GHz、8MB L3)、Core i7-920XM Extreme Edition(2GHz、ターボモード時3.2GHz、8MB L3)の3つのSKUになっている。ノートPC向けの最上位SKUであるCore i7-920XM Extreme Editionが選べるのが嬉しいところで、本製品を選ぶようなプロユースのユーザーであれば、処理能力=作業効率であるだろうから、処理能力が高いプロセッサを選べるのは大きなメリットがあるといえるだろう。
メモリは2GBから16GBまで選択することができる。ユニークなのは、ノートPCなのにメモリソケットが4つあることで、4GBのDDR3のSO-DIMMを4枚組み合わせることで16GBという構成が可能になっているのだ。なお、レノボジャパンのCTOメニューには、
- 2GB (2GB×1)
- 4GB (2GB×2)
- 4GB (4GB×1)
- 8GB (4GB×2)
- 16GB (4GB×4)
という構成が用意されている。CADや3Dのレンダリングなどに利用する場合にはメモリ容量の多さも性能に影響を与えることがあるので、プロユースで利用するのであれば16GBなどの大容量メモリが選択できるのは嬉しいところだ。
レビューした個体には4GB(2GB×2)という構成でSO-DIMM2枚が挿入されているのだが、底面のスロットにはSO-DIMMが挿入されていない。最初の2枚は、キーボードの下にあるスロットに挿入されている |
標準で入っているメインメモリのクロック。DDR3-1333で動作している |
本製品は17インチという大型の液晶を積んでいるため、システム部分のスペースには余裕があり、ストレージデバイスも標準で2つを搭載できるようになっている。本製品で採用されているチップセットのIntel QM57 Express Chipsetは、SATAドライブを複数搭載しているときには、RAID構成にできる機能を搭載している。このため、CTOでの選択時に同じドライブを2つ選ぶと、出荷時の構成としてRAID0(スタイピング、2つのドライブに交互にデータを書き込んで高速な読み書きを可能にする)にして、ストレージの高速化を実現することが可能だ(もちろん、シングルドライブも選択可能)。このドライブは、320GB(5,400rpm)、250GB(7,200rpm)、320GB(7,200rpm)、500GB(7,200rpm)というHDDだけでなく、128GBのSSDを選択することもできるようになっている。Windows OSでは、現在ストレージへのランダムアクセスが性能のボトルネックになっているので、こうしたRAID0を選択するのは悪くないだろう。
光学ドライブは、ウルトラベイエンハンスドと呼ばれる従来のWシリーズやT510などで用意されている12.5mm厚のドライブが採用されている。取り外し可能で、オプションで用意されているBlu-rayドライブなどに交換することも可能だ(ただし、CTO時にはDVDマルチドライブのみを選択可能)。