――そんな3枚目のシングルには「Horizon」と「regret」の2曲が収録されています
「曲調としては今回も全然ちがう方向性の2曲になっていますが、今までなら、歌っている人は一緒というところだけが共通点で、全然違うアプローチの仕方をしてしまい、1枚の中でまったく違う面を出すという感覚があったんですよ。しかし今回は、曲は違っていても歌っているのは私であるということが強く感じられる仕上がりになっています。そのあたりは、手が届くようになったからこそなんだろうなって自分では感じています」
――表題曲の「Horizon」は『白銀のカルと蒼空の女王』のオープニングテーマですね
「とても人気のある『蒼いシリーズ』の作品なので、プレイしたことはなかったのですが、シリーズの作品については耳にしたことがありました。とても絵もかわいいですし、皆さんに人気があるのもうなずける世界観の作品だという印象を持っていたので、『あのカルの……』といったイメージで歌わせていただきました。曲を歌わせていただいたときは、まだ作品の全容が明らかになっていなかったのですが、『暁のアマネカと蒼い巨神』のスピンオフだと聞いていたので、その印象で大きく外れることはないだろうと思い、強くもあり、優しくもあり、遠くを見据えている感じ、非日常の世界観みたいなものを、このパワフルな曲に上手く乗せられるといいなと思いながら歌いました。ただ強いだけではなく、とても幻想的な感じも織り込んでいる感じです」
――「Horizon」の曲についての印象を教えてください
「不思議な楽曲だと思いました。パワフルさもあるし、郷愁もあるし、哀愁もある。そして、爽やかさもあるし、透明感もあるし、いろいろなものが入り混じっている曲だなっていう印象でしたね。自然の中に息づいているいろいろな音が自分に降ってきているような感覚が強くあって、ともすれば、とても力強く歌ってしまいがちになってしまう曲だとは思うのですが、それプラス、もっともっと人知を超えた何かを音の中に感じることができたので、それをうまく表現できたらいいなって思いました」
――「Horizon」の詞の世界に対する印象はいかがですか?
「サビの『世界中の 奇跡集め まだ知らない場所へ』というところが、このゲームに限らずとも、すごくゲームという世界を表している気がしました。特にRPGやシミュレーション、アドベンチャーといったゲームは、いろいろな世界に散りばめられている謎だったり、困難だったり、何かしら起こっている問題だったりを拾い集めて、それをうまく消化できたものが、最後にたどり着けるというイメージが強いんですよ。それがこの歌詞の中ですごく表されていて、『カル』の世界の中の奇跡を集めて、知らない場所、ゲームでいえばエンディングに向かって進んでいくという意味なのかなって感じられたので、すごくゲームにピッタリの曲だと思いました」
――出来上がりを聴いた感想はいかがでしたか?
「この曲はメロディーラインがとても難しくて、最初はどんな風に歌おうかなと思ってちょっと力んでしまったところもあったのですが、本番のレコーディングまでに少し時間があったので、自分の中でうまく消化して、いかに聴いている人が聴きづらく感じないように表現できるか、といったことを考えていました。なので、自分で聴いてみても、いつもなら『本当はこうやって歌いたかった』とか、『今のところはまだちょっと甘いな』とか考えてしまって、なかなか素直に聴けない部分があったりもするのですが、今回の出来上がりは、素直にスッと聴くことができたので、自分がやりたかったことをうまく表現できているのではないかと思っています」