ランニングコストを意識し最終的なライフコストを低減
三菱電機のブースでは、2010年10月からの販売開始を予定している100kW級のパワーコンディショナや、電極バスバーを従来の2本から4本に増やしながらも出力電力を従来の185Wから190Wへと向上させた太陽電池モジュールなどが展示されている。
一般的に結晶系の太陽電池セルは表面の発電面積が広ければ広いほど、発電できる電力量は増えることとなるため、電極バスバーの数を減らしたり、バックコンタクト技術を用い裏面に電極を配置するなどの工夫が施されている。今回の三菱電機のモジュールでは表面のバスバーは2本から4本へと増したわけだが、電極の配線の太さを2本の時の半分にすることにより、電極が占める面積自体は従来と同じとした。
これにより電極間の距離が従来よりも短くなったことで、その間で発生する電力が電極まで移動する際のロスが低減。結果として従来モジュール比で3%の出力向上を実現した。
これについて、同社では、「これまで市場の中心が欧州などであったが、軸足を日本に移す場合、狭い屋根に設置することとなるため、どうしても電力効率を高める必要がある」(同社説明員)ということであり、生産コストを向上させずにより小さな面積で高い発電効率を実現するために編み出された技術であることを強調する。
また、同社では「とことん創エネNo.1」をキャッチコピーとして用いているが、これは太陽電池セルやモジュールの発電効率のみならず、その後段に接続されるパワーコンディショナなどを含めたトータルのシステムで、最終製品まで高い効率で電力供給を維持できることを目指す意識を表したもの。
これについて同社では「トータルシステムのビジネスとして販売店などとWin-Winの関係を築くためには、各商品の性能だけではなく、家が財産ということを念頭において、むしろ設置してからが本当の始まりという意識で、導入コストだけでなく、実際に10年間なら10年間、発電総量がほかと比べて高かったのが三菱電機といってもらえるソリューションを用意していく必要がある」としており、今後もそうしたランニングコストを意識した取り組みを進めていく計画としている。