平均滞在日数4泊5日、ファミリーでの利用率8割――。パッケージプランに、航空運賃、宿泊費、滞在中の飲食や各種アクティビティ、エンターテインメントなどがほぼ全て含まれた「オールインクルーシブ」を特徴とするクラブメッドのスノーリゾート「クラブメッド・サホロ」はなぜ家族連れに選ばれるのか? 不況の中でも「年末年始稼働率100%」と笑顔をみせる、クラブメッド瀬口盛正上席副社長 兼 営業・マーケティング統括本部長に話をうかがった。
自然と一体となったリゾート
世界的なリゾートである、クラブメッドがフランスに誕生したのが1950年。2010年に60周年を迎えるクラブメッドは、世界およそ25カ国約80カ所にリゾートをもち、「オールインクルーシブ」システムを導入することで、滞在中に追加代金を心配することのないユニークな旅行を提案することで知られている。
アジア・パシフィックエリアには、日本をはじめとして、インドネシア、タイ、モルディブマレーシア、オーストラリア、など8カ所で展開。各国の特色を出しつつも、世界共通のコンセプトで営まれるリゾートは、"クラブメッド"という小さな国が世界中に点在しているような印象を受ける。
クラブメッドのリゾートでは「人口密度の高い都市はあえて避け、島や山など自然との一体感が感じられ、広い敷地がとれるところに建設しています」と瀬口氏が語るとおり、世界の主要なホテルの敷地面積の平均より、2.5倍以上の敷地を確保できる立地が選ばれている。新たなホテルを建設する際は18ha以上が用地としておさえられることを条件としているそうだ。
また、G.O(ジーオー、Gentle Organizer)と呼ばれるホテルスタッフが、宿泊者とともに食事をとったり、エンターテインメントショーに参加したりと、他ホテルでいうところの"スタッフ"とは一味違う「ホスピタリティー」を提供してくれるのもクラブメッドならでは、といえる。瀬口氏の「特定のライバルはいない」という一見強気な姿勢は、他社とは違う「ユニークさ」を一番のウリにしているという点で説得力をもっているのだ。