無線LANルーター化してさまざまな機器でインターネット接続
前項で触れたとおり「HYBRID W-ZERO3」は、PCに接続してのモデム利用時にも上限金額が設定されている。それを見越した機能として、USB/BluetoothでPCと接続して簡単にインターネット接続できる「インターネット共有」が搭載されている。さらに「HYBRID W-ZERO3」を無線LANルーター化するソフト「WiFiSnap」がプリインストールされる。
WiFiSnapは、「無線LANツール」から起動する。無線LANの接続を簡単にするツールや、公衆無線LANオプション「ウィルコム無線LANオプション」の設定も可能 |
ウィルコム無線LANオプションには、お試し期間があるので、使い勝手などが自由に試せる |
WiFiSnapの画面。WEPのみだが、暗号化機能も搭載 |
WiFiSnapは試用期間のある有料ツールだが、使い方は簡単。WiFiSnapを起動して「Start」アイコンをタッチするだけだ。SSIDや暗号化機能を設定しておけば、すぐに「HYBRID W-ZERO3」を無線LANルーターにすることができる。暗号化が安全度の低いWEPしか選べないのは残念だが、手軽に無線LANルーターとして利用することができる。
WiFiSnapを利用すれば、PHS/3Gの通信で周囲の無線LAN機器と接続(アドホック通信のみ対応)し、インターネットを楽しむことができる。無線LAN対応のノートPC、音楽プレイヤーなどを複数接続することも可能だ。
自由度の高さが魅力
マルチメディア機能としては、有効500万画素カメラを搭載する。電子手ブレ補正やAFのほか、マクロ撮影やパノラマ撮影、タイマー撮影、笑顔撮影といったさまざまな機能を搭載する。最大640×480ドットの動画撮影、バーコードリーダー機能も備える。
Windows Media Player Mobileを搭載するので、MP3やWMA、WMVといった音楽、動画をPCから転送して「HYBRID W-ZERO3」で楽しめる。YouTubeの動画もWMPから再生でき、インターネット上の動画コンテンツも視聴可能だ。YouTubeに関してはGoogleがYouTube用アプリケーションを配布しているので、それを使ってもいいだろう。なお、おサイフケータイはサポートしていない。
データ交換は、USB接続に加えてBluetoothでも可能で、A2DPやAVRCP、HFP、HSP、OPPなど主要なプロファイルに対応している。無線LANと同時利用できないのが難点だが、さまざまなBluetooth機器と手軽に接続できる。日本製らしい点としては赤外線通信にも対応。通常の携帯電話と連絡先の交換ができるのは便利だ。
W-ZERO3は、日本国内でスマートフォンブームの先鞭をつけた名機だ。同シリーズ最新機種の「HYBRID W-ZERO3」では、ドコモの3G回線も併用し、さらに利用シーンを拡大している。電話機として使いやすいスライドボディを採用することで、スマートフォンだが、普通の携帯電話ライクに使える製品となっている。
動作速度がやや緩慢な点、指のみの操作が困難な点、マルチタッチに対応しない点など、スマートフォンとしてはやや物足りない面もあるが、Windows Mobileの自由度の高さ、インターネットとの親和性も高さなど、1つの存在感を示す端末に仕上がっている。
型番 | WS027SH |
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OS | Microsoft Windows Mobile 6.5 Professional 日本語版 |
CPU | Qualcomm MSM7200A ARM11 528MHz |
サイズ | 約53×120(H)×16.9(W)mm(本体閉時、最薄部) |
質量 | 約158g |
連続通話時間 | 約5時間 |
連続待受時間 | 約400時間(W-CDMA OFF時) |
約200時間(W-CDMA ON時) | |
ディスプレイ | 3.5インチ(480×854ドット)モバイルASV液晶(タッチパネル/バックライト付き) |
カメラ | 約500万画素(手ブレ補正/オートフォーカス付き) |
対応通信方式 | W-OAM typeG/W-CDMA(3.5G)/赤外線通信(IrDA1.2方式/IrMC1.1方式)/無線LAN(IEEE802.11b/g準拠)/Bluetooth(Bluetooth2.0) |
カードスロット | microSDスロット/W-SIMスロット/SIMカードスロット |
接続端子 | イヤホンマイク端子(平型)/赤外線通信ポート/ACアダプター端子/USB端子(microABコネクター) |