BioHazard 5 Benchmark(グラフ10)
CAPCOM
http://www.nvidia.co.jp/object/games_biohazard5_jp.html
さて、猛烈に数字が跳ね上がったのがこちらである。フレームレート表示はこの通り(Photo14)。Area 1はまだしも、Area 2/3/4がRadeon HD 5870と比較して最大5倍もフレームレートが上がる、というのは尋常ではない。
これを「ハードウェアを改良したから」というのは無理がある。したがって普通に考えればドライバの最適化を施したから、ということになるが、だとすればRadeon HD 5970以外でもその効果が得られることになる。そこでためしにグラフィックスカードをRadeon HD 4890に入れ替えてみた。結果は表2の通りで、Radeon HD 5970には遠く及ばないものの、悪くないスコアである。
■表2 | |||||
ドライバ比較(Radeon HD 4890) | Area 1 | Area 2 | Area 3 | Area 4 | Overall |
---|---|---|---|---|---|
Catalyst 9.9 | 77.1 | 37.3 | 14.9 | 36.8 | 38.3 |
8.663.1_Beta4_Hemlock_VistaWin7_Nov6 | 79.8 | 61.0 | 44.9 | 59.8 | 59.7 |
ただやはり「チューニングでこんなに上がるか?」という疑問は当然出てくる。ドライバを変えた瞬間にスコアがブーストするというケースでは、しばしばトリックが使われることが多いからだ。具体的には特定のアプリケーションの性能を挙げる場合に、描画オプションを無視する(例えばAntialias Onになっていてもこれを無視する)ことで性能を伸ばすことが多い。これを見分けるのも簡単で、通常ドライバはアプリケーションの実行ファイル名を見て判断しているので、ファイル名を変えてしまえばよい。というわけで、ためしにBIOHAZARD 5の実行ファイル名の"BH5DX10.EXE"を"BH5DX100.EXE"に変更してベンチマークを行った結果が表3である。まぁやはり案の定、というスコアであった。
■表3 | |||||
ファイル名比較(Radeon HD 4890) | Area 1 | Area 2 | Area 3 | Area 4 | Overall |
---|---|---|---|---|---|
BH5DX10.EXE | 79.8 | 61.0 | 44.9 | 59.8 | 59.7 |
BH5DX100.EXE | 76.6 | 37.0 | 14.9 | 36.5 | 38.1 |
何故かは判らないが一度ファイル名を変更すると、システムの何かが壊れてしまうようで、以後二度とBIOHAZARD 5が立ち上がらなってしまい、残念ながらRadeon HD 5970でのスコアは取得できていないが、Radeon HD 5870の倍弱を想定しておけばいいと思われる。GeForce GTX系にはやや及ばないと思われるが、何がなんでも全てのテストでNVIDIAを上回る必要は無いわけで、あまり有難い小細工とは言えない気がする。今回は公式ドライバではなくあくまでβなので、こうした細工の有り無しを論じるつもりはないが、正式公開されるCatalystからはこの機能は抜いて欲しいと個人的には感じる。