米FileMaker社長ドミニーク P.グピール氏(左)、システムエンジニアマネージャ アンドリュー・ルケイツ氏(右)

ファイルメーカーは、同社日本初のユーザーカンファレンス「FileMaker Conference 2009」を10月30日に開催。500人以上のユーザーと開発者が参加し、FileMaker 10の特徴的な機能の紹介や、それを活用したソリューションの紹介などを行い、「FileMaker 10」の可能性を示してみせた(『【レポート】ファイルメーカー、日本初の「FileMaker Conference 2009」開催』)。同カンファレンスにあわせて来日した米FileMaker社長のドミニーク P.グピール氏、システムエンジニアマネージャのアンドリュー・ルケイツ氏に、FileMaker 10の最新動向、日本市場に向けた取り組みなどについて話を聞いた。

-- 今回の「FileMaker Conference 2009」は、日本初の開催となりました。この狙いはなんですか?

グピール氏: 2つの側面があります。ひとつはファイルメーカーの変化を、顧客に確かめていただくという点です。製品を進化させ、営業体制を変化させたことでファイルメーカーはどう変わったのか。また当社製品を活用して、顧客自身がどんな成功を得られるのかという点を知っていただきたい。もうひとつは、ファイルメーカーのパートナー同士、顧客同士が情報を交換することで、どんなソリューションが作れるのか、どんな手法があるのかということを共有していただく場としたい。

当社は13年間に渡り、デベロッパーカンファレンスを全世界を対象に開催してきました。最新のカンファレンスは米サンフランシスコで開催し、1,300人の開発者が参加した。これは、3日間に渡り、約50のセッションが行われる大規模なものです。ただ、ここまで大規模ではなく、それぞれの国にあわせて、期間が短いものがあってもいいだろうという声が出てきた。日本から参加する開発者は、米国に行くコストや時間をかけずに、しかも日本語で聞くことができる。そして、ユーザーに対して有益な情報を提供しようというものです。

ルケイツ氏: 私は、基調講演や開発者とのミーティングを通じて、すばらしいカンファレンスになっているという手応えを感じています。強い関心を持って、講演を聞いていることを感じますし、技術者とのワン・オン・ワンのミーティングでも、熱心な質問をもらっています。これを次のステップに反映させたいと考えています。

-- FileMaker 10を発売して10カ月が経過していますが、手応えはどうですか?

グピール氏: FileMakerというと、単品のシュリンクラップされたSMB向けのパッケージという印象があるかもしれません。しかし、ボリュームライセンスによる大手企業への実績も出ている。米国においては、フォーチュン上位100社のうち70社がFileMaker 10を使っています。また日本では、2010年度の大学生の就職人気ランキングの上位100社のうち、86社がFileMakerを導入している。いまでもシュリンクラップを各部門で使うケースは多いのですが、組織全体としてFileMakerを活用する事例が数多く出ている。それを加速するという意味では、FileMaker 10の成果は大きい。