「HP Mini 110 by Studio Tord Boontje」は「HP Mini 110」の特殊外装版となるため、基本的なスペックは当然HP Mini 110と同じだ。ポイントとなるのはあくまでも外装なので、今回は徹底的に外観にこだわってレビューしよう。

まず「HP Mini 110 by Studio Tord Boontje」という製品名だが、末尾の人名は「トード・ボーンチェ」と読む。ヨーロッパで活躍するオランダ人の男性デザイナーで、自然をモチーフにしたデザインを得意としていることから「森のデザイナー」と呼ばれている人物だ。今回の「HP Mini 110 by Studio Tord Boontje」でも、モチーフは森の木々と花、動物となっている。しかしホワイトベースのマシンに白系の色で描かれているため、くどさが全くない。また、花や動物もファンシーな描き方ではなく、どちらかといえばリアル志向な絵をデザイン化した印象。若い女性にしか持てないファンシーデザインではないことに、ぜひ気づいていただきたい。一言で表そうとするならば「ファンシー」ではなく「エレガント」であり、「カワイイ」ではなく「キレイ」や「美しい」なのだ。

トップカバー全面に、白系色を使って動物や木々が描かれている。2層構造と絶妙な色使いによって、光の加減だけで印象が変わるのもユニーク

実物を触るとつるりとしているのだが、見た瞬間はなぜこの表面がレリーフ状になっていないのかが分からないと感じるほどに立体的な印象がある。詳細に見ると、表面には透明な塗膜があることがわかる。実はこのプリント、2層になっているのだというが、実物を見ると少なくとも4層くらいはありそうに見えてしまう。各層は白、白味のグレー、シルバーの3色で描かれており、1層単位で色を利用して「立体的に折り重なって見える」描き方がされている。それが2層重なることで実際の前後関係も生まれ、かなり折り重なった状態に見えるのだ。また、明るい場所で見ると上層図案の影がベース層に落ちるため、より立体的に見える。

2層で表現されている、折り重なる森。表面は透明層で覆われている

目を近づけてみれば驚くほど精巧かつ複雑なのだが、少し離れた時に見えるのは上層に大きくグレーで描かれた木々だ。それも地に溶け込むように見える程度で、決してうるさい感じではない。また薄暗いところではシルバーで描かれた動物だけが浮き上がって見えるのも面白い。

見る角度や光の加減で印象が変わり、見飽きることがない

トップカバー全体に描かれたデザインとともに「hp」の丸いロゴもグレーで溶け込むように配置されている。「HP Imprint 3D」テクノロジーによる透明層の保護があるおかげで、バッグ内でいつの間にかデザインがハゲてしまったというがっかり感も味わわずに済む。

本体前面には電源スイッチ(左)と11b/g対応無線LANのハードウェアスイッチ(右)を装備

右側面にはミニD-Sub15ピン×1、USB 2.0×2、5in1メディアスロット、10/100BASE-TX対応有線LANポートを搭載

左側面にはUSB 2.0×1、マイク入力/ヘッドフォン出力コンボポートを備えている