VAIO Xのこの薄さは、同社が発売しているデジタルカメラ「Cyber-shot T90」よりも薄く、ノートPCではよく聞かれる最薄部分については、「もっとも薄い部分」ではなく、「最も厚い部分」が最薄という、文句の付けようがないボディーデザインとなっている。

ちなみに、液晶側は3.85ミリしかなく、マザーボードなどが納められているボトム側ですら9.6ミリしかない。この薄さを実現するために、基板は「片面実装技術」と呼ばれる、CPUなどのチップを片面にすべて実装するというVAIOノート初の試みが行われている。

言葉尻だけを捉えると簡単そうに聞こえるが、単純にチップなどをすべて片面に配置すると、半導体やコンデンサから発生する熱により、基板が反ってしまうという問題が起こる。この難題には、電気設計、機構設計、品質評価部門などが一丸となって取り組み、設計段階からシミュレーションを幾度も重ねることで、信頼性の高い基板を設計することに成功している。

片面実装技術により生み出された極薄のマザーボード

液晶部分についても、ただ薄くするだけでなく、強度性についても追求されている。本製品の天板部分には、カーボンとカーボンの間に特殊シートを挟み込むことで強度性を増すという、新構造の「ハイブリッドカーボン」が採用され、従来のノートPCと同等の強度を維持しながら軽量化が実現された。これにより150kgf平面加圧振動テストもクリアーする堅牢性を誇っている。