前置きが長くなったが、モバイルWiMAXを内蔵したtype Pだ。type PでモバイルWiMAXを利用してみよう。利用するには、まずUQへの契約が必要だが、これはtype P上から行うことができる。

契約後、モバイルWiMAXの利用が可能になる。type Pの前面にあるワイヤレススイッチをオンにすると、無線LANやBluetoothとともに、モバイルWiMAXもオンになる。ただし、無線LANとモバイルWiMAXは排他利用なので、どちらか一方しか有効化されないものの、スイッチ一つでオン・オフできるのは便利。

ワイヤレススイッチは、WiMAXや無線LAN、Bluetooth、GPSを一括してオン・オフできる

VAIO Smart Networkを使えば、個別にオン・オフできる

モバイルWiMAXが有効になると、常駐している接続ユーティリティが自動的に電波を検索して接続を行う。ダイヤルアップの必要はなく、無線LANに接続するようにそのまま勝手に通信が可能になる、という感じだ。ワイヤレススイッチをオンにした状態でスリープから解除したりした場合も、自動的に接続を行ってくれる。

付属の接続ユーティリティ。明示的に接続・切断をしない限りは特に使わない

無線LANへの接続と同様に、瞬間的に接続されるというわけではないが、特に待たされる感じもなく、あっさりと接続される。この手軽さはいい。

接続ユーティリティはシンプル。もともと自動的に接続されるので、ユーティリティをあまり使う必要もない。

type Pに標準搭載されている「VAIO Smart Network」では、WiMAXと無線LAN、Bluetoothのオン・オフができる。無線LANとWiMAXの同時利用ができないため、明示的に切り替えたい場合はこれを使うといいだろう。

接続ユーティリティでもVAIO Smart Networkでも、同時利用しようとすると警告が表示される

この無線LANとWiMAXが排他利用というのは残念な仕様だ。利用できる場所がピンポイントながら高速な無線LANと、エリアが広いWiMAXが同時利用でき、さらに優先順位が決められれば、自宅や会社の無線LAN環境に入れば無線LANを使い、そうでなければ自動的にWiMAXに接続されるようになれば、シームレスな通信環境が実現でき、少し大げさに言えばモバイルでのネット利用が激変する可能性を秘めている。

しかもtype Pは、超小型なのでどんなシーンにも持ち歩けるモバイルノートPCなので、このシームレスなネット環境の恩恵を存分に受けられるマシンだ。屋外でも屋内でも、いつでもどこでも液晶を開けばネットに接続されているという状況は、実際に使ってみると非常に快適だ。

最近は、iPhoneのようなモバイル端末もあるが、長文入力やFlashを多用したようなWebサイト閲覧は、やはりPCの方が優れている。しかも、携帯のように取り出せばすぐにネットにつながり、いちいち通信カードを挿したり接続作業を行ったりといった手間もないので、ようやく携帯代わりに使えるマシンになった、といってもいいかもしれない。