次はマルチコアが素直にスコアとなって現れるCinebench。レンダリングとシェーディングという3Dグラフィック演算を行うアプリケーションベンチマークだが、こちらでは同クロックの場合、明確にPhenom II X4>Athlon II X4の構図が見られる。ただ、この差がどのくらいかというと、2.8GHzのAthlon II X4 630が、2.6GHz駆動のPhenom II X4とほぼ同じスコアであるように、200MHz程度の差であるようにしか見えない。
最後はPCMark Vantageで、ユーザー環境としての性能を確認しておこう。PCMark Vantageでは、PCMarksとHDDを除いた6つのテストのうち、4つで2.8GHzのAthlon II X4 630が2.6GHz駆動のPhenom II X4を抜いている点に注目したい。つまり、L3キャッシュが有効に効くアプリケーションでは、200MHz低いクロックのPhenom II X4に逆転されるも、L3キャッシュがあまり有効でないアプリケーションでは、同クロックのPhenom II X4には及ばないもののそれに迫る性能を発揮していることを示している。