ベンチマーク
最初に、Sandraのキャッシュメモリ関連ベンチマークで2つのCPUのキャッシュメモリの違いを確認しておこう。まずはCache & Memory Benchmark。Phenom II X4では4MBまで35GB/sの転送速度が出ているのに対し、Athlon II X4の4MBでは既に9.5MB/s程度、つまりメインメモリへのアクセスとなっている。Memory Latency Benchmarkでも、Phenom II X4では4MBほどまで20ns台のレイテンシだが、Athlon II X4では1MBの時点でレイテンシは65nsほどとなっている。
続いてSandraのCPU関連ベンチマークを見てみよう。なかなか興味深いのはProcessor ArithmeticのDhrystoneで、Phenom II X4よりもAthlon II X4の方がそれぞれスコアが良かったことだ。Dhrystoneはキャッシュ性能に左右されやすいテストだが、先のCache & Memory BenchmarkとMemory Latency Benchmarkを見る限りL2キャッシュまでは性能差が無い。こうなるとPhenom II X4のL3キャッシュに原因があるのではないかと推測される。つまり、もしPhenom II X4がL3キャッシュを参照し、そこにはデータが無く、次にメインメモリを参照しにいくとすれば、L3キャッシュを参照するぶんのオーバーヘッドが生じたのではないだろうか。なお、WhetstoneとProcessor Multi-Mediaに関しては、クロックの影響が強いようで、2.8GHz同士、2.6GHz同士でほぼ同じスコアとなっている。