「WRO」との連携による技術教育と人材育成
各地区での大会開催に先立ち"ETロボコン"本部事務局に取材し、運営委員長の小林靖英氏と実行副委員長の渡辺登氏のお二方にお話を伺うことができた。
小林氏は本部が置かれたアフレルの代表取締役社長で、同社は「教育用レゴ マインドストーム」の国内正規代理店でもある。
渡辺氏は沖通信システムの社員で、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)研究員、SESSAME(NPO法人 組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会)理事という顔も持つ。
また、お二方ともNPO法人「WRO Japan」の理事として、小・中・高校生を対象とした国際的なロボットコンテスト「WRO(World Robot Olympiad)」に関しても尽力されており、小林氏はWRO国際委員、「WRO Japan 2009」の実行委員長を務めている。
"WRO"はシンガポールサイエンスセンターの提案により2004年に発足し、アジア各国を中心に開催。ハードウェアには"マインドストーム"が使用され、"ETロボコン"とは言わば兄弟イベントの関係だ。2009年8月23日には東京・九段の科学技術館で「WRO Japan」の決勝大会が開催されており、11月には韓国で世界大会が行われるとのこと。
以下、小林氏と渡辺氏へのインタビューを中心とした構成でお届けしたい(以下、本文敬称略)。
渡辺「我々は"現場の開発力強化"という国策もあっていろいろと動いているが、やはり将来的な技術者の確保も必要で、子どもの頃から技術に興味を持ってもらうことにも注力している。当初は子どもの教育用に作られた"マインドストーム"だが、大人の技術者を対象とした"ETロボコン"でも役立っていて、これは"WRO"とも両方関わっていった方が効率的だな、と感じた。子供から大人までをシームレスにつなげて、現場の技術者が子ども達の技術教育に関われるような環境を作りたい」