iPodに話題が移ったところで、シニアバイスプレジデントのPhil Schiller氏にバトンタッチした。
NPDの調査によると、2009年7月時点で米国のメディアプレーヤー市場におけるiPodのシェアは73.8%。その中で最も伸びているのがiPod touchだという。これまでの販売台数は2,000万台に達した。話題性ではiPhoneシリーズに劣るが、販売台数では健闘している。
なぜか?
Schiller氏は3つの理由を挙げた。まず「優れたiPod」であるとした。タッチベースで、クリックホイールとは違った快適な音楽体験を実現している。次に「優れたポケットコンピュータ」を挙げた。通常のWebページ、各種電子メール・アカウントを問題なく処理し、パソコンとのデータ同期が可能。Facebook、Twitterクライアント、電子ブックなど、ユーザーがモバイルコンピューティングで欲しいと思う機能が、App Storeを通じて提供されている。最後は「優れたポータブルゲームプレイヤー」だ。ニンテンドーDSやPSPとの比較で、マルチタッチによる優れた操作性、ゲームの手頃な価格、App Storeでの快適な購入体験などのメリットを指摘した。
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iPod touchは、iPodユーザーとApp Storeを結びつける存在である。「App Storeへの手頃な価格帯の入り口」であるとSchiller氏。この点からiPod touchの8GBモデルを199ドルに値下げした。これは249ドルだったiPod miniを199ドルに値下げした時の経験に従っているという。当時199ドルはコスト的にぎりぎりだったが、199ドルに値下げした途端に販売ペースが倍増した。「iPodにとって199ドルは(普及を促す)魔法の価格である」という。