――どんな歌でも絵を描いて歌う感じですか?
今井「絵が浮かんできた歌は歌いやすいというのもありますね。もちろん、全然浮かんでこない歌というのもありますし、そういうときはアプローチを変える必要があるんですよ。『あ、絵じゃなかったんだ』って。言葉のニュアンスに含まれている、もっと深層心理みたいなものがあって、これは絵に表現すべきものではなかったんだ、みたいな風に捕らえていくんですけど、この曲に関しては、かなり大きい、何号ぐらいでしょう、もう美術館に飾ってあるような一枚絵で、ドーンと青空があって、海と空と、ときおり雲がもくもくって出てきて、そこから光がザンって差しているようなイメージでしたね」
――そういったイメージは曲を聴いていて浮かんでくるものですか?
今井「基本的には歌詞と曲を聴いて、描くという感じですね。なので、今回は事前に歌詞がなかったので、レコーディングに入るまでは特にイメージがわいていなかったんですよ。メロディだけをずっと聴いていて、寝るときもヘッドホンをしながら睡眠学習みたいな感じで(笑)。今回は、レコーディング当日に歌詞を見せていただいてから絵を描いた感じなので、もう歌詞の一行目のイメージでいっちゃったって感じですね。いろいろと妄想を膨らましながら(笑)」
――それでは「kissing a dream」の聴きどころを教えてください
今井「最初はしっとりと入ってきて、サビに向かって、ドンドンドンドン上がってくるんですけど、やっぱりサビに入る直前から、サビに入ったところというのが、すごく気持ちいいので、ぜひそこを注目して聴いてほしいなと思います。カラオケで歌っても本当に気持ちいいと思いますし、カロリー消費とかもめちゃめちゃできると思います(笑)」
――この曲を日常生活で聴くとしたら、どんなシチュエーションで聴いて欲しいと思いますか?
今井「難しい質問ですね。どんなシチュエーションがいいか、というよりも、『就寝時には聴かない』って言ったほうがいいかもしれません。すぐにでも浜辺に筋トレをしに行きたくなってしまうかもしれないので(笑)。やはりこの曲は、何かチャレンジするものが目の前にある状況、たとえば受験だったり、お仕事でプレゼンをしなければいけなかったりっていうとき、その直前などに聴いていただけたら、きっと盛り上がってくるものがあるのではないかと思います」
――今回は野球がテーマになっていますが、今井さん自身は野球はお好きですか?
今井「観るのは好きです。あえて、ファンはどれかと聞かれたら、野球場でコーラを売っているお兄さんのファンです(笑)。子どものころ、家族が野球好きで、うちの兄も野球をやっていたので、野球場にはすごく通っていたんですよ」
――野球場の雰囲気が好き?
今井「そうなんですよ。まだ東京ドームになる前の後楽園球場の時代に、本当にしょっちゅう連れて行ってもらっていましたね。そのころ一番好きだったのは、モニターのところに出てくる、拍手の手みたいなヤツです(笑)。あれが大好きで、それに合わせて一緒に拍手をしたりしていました。あと、ポップコーンを売っているお兄さんが近くを通りかかるたびに、すごい速さで、ガっと見たりするので、お父さんにガっと戻されたり(笑)。そういうのがすごく好きでしたね」
――『大正野球娘。』には9人のキャラクターが出てきますが、その中で今井さんが一番自分に近いと思うのはどのキャラクターですか?
今井「私は、何気に(川島)乃枝ちゃんかなって思っているんですよ。このメガネの子なんですけど、分析肌みたいな感じで、みんなの中心にいつつ、アドバイスをしたりする子なんですね。私はたぶんこのポジションじゃないかと思います。『今のスイングは2cm高いわ』みたいなことを、私すごく言いそうなんですよ、できないのに(笑)。乃枝ちゃんはできますけどね。本当に分析大好きっ子なので、そんな気がします。おしとやかな感じではないかもしれません。ごめんね、乃枝ちゃん(笑)」