――PSP『大正野球娘。』のオープニングを担当すると聞いたときの感想はいかがでしたか?
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今井「きっと、大正琴が聞こえてくるんだろうなって思いました(笑)。大正っていうぐらいですから、大正琴の音が流れていて、桜が舞っているような情緒溢れる曲なんだろうなって」
――実際に楽曲を聴いたときの感想はいかがですか?
今井「『力強えー!』。素直にそう思いました(笑)」
――女性版「巨人の星」みたいな、スポ根というイメージですよね
今井「もう、『熱っ!』ていうぐらい、熱い曲でしたね。どこまでもどこまでも上りきっていく感じで、途中で息切れをしないかどうか、とても不安になりました。遠くからドーンと飛んでくるような感じですね。曲をいただいたときに、原作も知っていたので、この作品でこういう曲が来たということ、つまり、女の子たちが繰り広げるドラマも熱くはあるけれども、それとはまたちがうテイストのものが来たということは、この曲は彼女たちが描いている心の奥にある"熱さ"や"思い"が具現化されたものなんだと思ったので、私自身も、この歌に挑戦させてもらうという意味でも、"挑戦"という気持ちを込めながら歌わせてもらいました」
――かなり激しい歌ですが、今井さんとしては歌いやすかったですか?
今井「すごく体力は消耗しますけど、すごく歌いやすくて、私にあわせて作ってくださったんだなっていうのを感じます。あえて言えば、得意なタイプの曲ですね」
――実際のレコーディングがいかがでしたか?
今井「聴いていただくとわかると思うのですが、あまり簡単な歌では決してないんですよ。それで、何が驚いたかというと、歌詞が来たのがレコーディング当日だったんですね(笑)。もうここは笑うところです。驚きましたね(笑)。実はこの作品を作られていたスタッフさんは、どんな曲を作ろうかということで、ずっと会議をして、歌詞もすごく練ってくださっていて、もっといいものをということで、編曲なども何回も何回もやり直してくださっていたんですよ。でもレコーディングの日は決まっていたので、一応相談はされたんです。『どうだろう、今井さん』と。『もっともっと練り込みたいんだが、どうだろう』って言われたら、嫌って言えないじゃないですか。なので、『よし、わかりました』と。『今回は難しいメロディなので、当日でチョット歌えるかどうかが心配なので、一度試してみて、歌えたらそれで本番という感じの余裕はいただけたりますか?』って聞くと、『もちろんだよ!』っておっしゃってくださったんですよ。でも、当日レコーディングに行ったら、もうその日に録る気満々の空気感で、『はい、今井さん、覚えて!』みたいな……。それで、『はい、頑張ります!』」て言って、小一時間くらいのお時間をいただいて、何度も何度も聴かせていただいて、メロディは先にいただいていたので、譜割り、音をあわせていく作業と、イメージを作っていく作業を当日やらせていただきまして、冗談抜きで今回は3時間、一切の休憩なしで歌いましたね。で、歌いきった後に、いつも通り"ご飯タイム"をいただきまして(笑)。『お腹がすいただろう』と言われて、『はい、すきました』っていったら、ドンとご飯がでてきたんですけど、量がすごく多かったんですよ。大きな丼で、中華丼みたいな感じだったんですけど、調子に乗って、半分以上食べた時点で、はっと気付きまして。『私、この後また歌うんだった』って(笑)」
――その後が本番だったんですね
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今井「3時間くらいずっと歌い続けていた間ももちろん録ってはいるんですけどね。このスタッフとレコーディングをするのは何曲目になりますかね? ずっと一緒にやらせていただいているので、私の生態というものわかっていてくださるんですよ、"お腹がすいたら歌えない"というのが(笑)。それで、ご飯をたっぷり食べて、元気を取り戻したあと、もう一度、『山を登るぞ! オー!』みたいな感じで、ガーンと歌わせていただいたのがほとんど採用されています(笑)」
――良いものを作ろうとした結果、歌詞が当日になったということですね
今井「そうですね。私も当日に歌詞をいただいたというのが初めてに近い状態だったんですよ。それに主題歌という大事な作品ということで、すごくプレッシャーもあったのですが、できあがってみたら、いろいろと考えすぎていないというか、体当たりで歌えた歌になったのではないかなと思います。普段だったら絶対にこういう表現で歌わないだろうなっていうのができたりしていたので、ある意味、私の中でもすごく新しい発見ができましたね」
――それも狙いだったのかもしれませんね
今井「そうだといいですね(笑)」
――そのほか、レコーディングで苦労したことはありますか?
今井「一度休むと歌えなくなるというのが、実は一番苦労したところですね。私は歌を映像でとらえて歌うタイプの人間なのですが、普段はワンフレーズずつ、コマ絵のように描いていくんですよ。それが、今回に限ってが一枚絵のような形で描いてしまったため、途中から歌い出すのが本当に難しくて……。AメロからBメロ、Cメロと一気に歌うのなら問題ないのですが、突然、『はい、Bメロから』って言われると、『ちょっと待ってください』ってなっちゃって(笑)。そんな不思議な感じに陥ったところがわりと難しかったですね。なので、収録ではほとんど、全部を通しで歌うという感じで歌わせていただきました。Aメロ、Bメロ、サビみたいな感じで、3枚くらいに分けておけばよかったんですけどね(笑)」
