名前のスコープ

定義された名前にはそれぞれ、その名前が通用する範囲があり、それを「スコープ」(範囲)と呼びます。「スコープ」は特定のワークシートまたはブック全体のどちらかです。例えば「消費税率」という名前が定義されていて、そのスコープが「ブック」である場合、その名前は同じブック内のどのワークシートでも通用します。

スコープが「Sheet1」なら「Sheet1」でしか通用しません。なぜこのような制限があるのかというと、名前が重複して混乱するのを避けるためです。「スコープ」がブックになっている名前は、そのブックのどのワークシートでも通用しますが、重複するので同じ名前を他のものに付けることはできません。一方、「スコープ」が特定のワークシートに限定されていれば、重複しないので他のワークシートで別のものに同じ名前を付けることは許されます。

「スコープ」は名前を付けるとき、新規作成するときにのみ決めることができ(図24)、あとから変更することはできません(図23)。しかし「スコープ」が特定のワークシートに限られていても、他のワークシートでも利用(参照)することはできます。そのためには名前の前に「ワークシート名」を付けて名前を「修飾」すればよいのです。

例えば、定数名「消費税率」の「スコープ」がワークシート「Sheet1」のとき、他のワークシートで「消費税率」を使いたいときは「Sheet1!消費税率」とすれば利用できます。

図23 既存の名前を編集する「名前の編集」ダイアログでは「範囲」(スコープ)は変更できません

図24 新規に名前を付ける「新しい名前」ダイアログでのみ「範囲」(スコープ)を選ぶことができます