流れるように撮影できる手ブレ補正は別次元
そもそも、ソニーのハンディカムシリーズに搭載されている手ブレ補正機能はかなり優秀だった。望遠撮影時ではしっかりとブレを補正しながらもベッタリと被写体に張り付きすぎず、パンやティルトなどのカメラワークにもしっかりと追従する。他社のライバル機と比べて、自然な手ブレ補正という印象だ。
2月発売のXR500(520)Vに搭載された「光学式手ブレ補正(アクティブモード)」は、上下補正角が従来モデルの10倍(ワイド端時)もあり、移動しながらの撮影でもブレが少ないことで大変話題となったのは記憶に新しい。実際に撮影してみたが、確かに今までの手ブレ補正とは一線を画す出来栄えであった。
各社のライバル機は、この夏のモデルで補正レンジを広げた手ブレ補正を搭載して追従してきたが、そんな手ブレ補正さえも過去のものといえるほど、今回CX500(520)Vに採用された「光学式手ブレ補正+BIONZ補正」(アクティブモード)は秀逸といえる。
この「光学式手ブレ補正+BIONZ補正」(アクティブモード)は、上下左右のブレを広範囲で補正する光学式に加え、動画では世界初となる回転を補正する電子式手ブレ補正がプラスされたハイブリッド方式となっている。今まで不可能だった回転を補正することで驚くほどブレを感じない映像に仕上がり、まるで映画やドラマで使われる、滑るような移動ショットが撮影可能なステディカム(撮影用防震装置)やレールを使用したかのような撮影ができるのだから驚きだ。
今回のテスト撮影ではカメラに慣れていないということもあり、撮り始めや歩行のショックで多少ブレが生じるが、ある程度落ち着くと流れるようなカメラワークが実現できた。もうちょっと使い込めば、さらにスムーズなカメラワークが実現するだろう。
手ブレ補正を検証
小走りで被写体をフォローしてみた。ヒールが堅い靴を履いていたので歩行時のショックがやや大きいが、これが運動靴だったらもっとスムーズになるだろう。
「光学式手ブレ補正+BIONZ補正」(アクティブモード)で回転の補正を担うのは電子式手ブレ補正で、撮像素子で受け取った映像の一部を切り取り補正範囲に当てている。そのため、若干画角が狭くなってしまうのは残念なところだ。単に画角が狭くなるだけではなく、撮像素子の一部を使って画面生成をしているため、わずかながら画質にも違いがある。
アクティブモードでの画角 | ||
【アクティブモード・オフ】 |
【アクティブモード・オン】 |
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アクティブモードを使用すると狭くなってしまう画角だが、その差はわずかなもの。手ブレ補正の恩恵と比べてしまうと大した問題ではないが、狭い室内や広大な風景などの撮影に備えてワイドコンバージョンレンズの使用を考えたい |
撮影協力:菊地美佳、菊地夢菜