液晶は大型化され、液晶ヨコボタンは廃止

もはやハンディカムシリーズの代名詞ともいえる、タッチパネル式液晶モニターも進化した。ボディサイズはコンパクトながら、3型ワイド「クリアフォト液晶プラス」を搭載。従来モデルに採用されていた「液晶ヨコボタン」が廃止され、そのぶん液晶面が枠一杯まで広がったのはうれしい。液晶ヨコボタンがなくなったといっても機能自体がなくなったわけではなく、液晶モニターにズーム、録画ボタンが表示されるようになった。

CX500(520)Vは、機能の切り替えやメニュー設定のほとんどを液晶モニター上で行う。そのため、外部に露出したボタンやスイッチが少なく、残ったわずかなボタン類は液晶モニター収納部に集約されている。見た目がシンプルになっただけではなく、気付かないうちに設定が切り替わってしまうなどの誤動作を防止する働きもある。ただし、ちょっとした設定を切り替えようとしても、メニューの深い階層まで潜っていかなくてはならなくなったという弊害もあるため、一時はなくなっていたマイメニュー機能が復活し、よく使う機能を登録してすぐに切り替えられるようになった。さらに、画面横をなぞるとスクロールできる機能が搭載され、ズラッとならなんだメニューを探し出すだけではなく、再生時もインデックスをスクロールできるなど使い勝手が大幅に向上している。

CX500(520)Vは基本的にカメラまかせのオートで撮影するのが簡単でキレイなのだが、わずかに残されたマニュアル撮影として「フォーカス」「明るさ」「AEシフト」「WBシフト」の機能をマニュアルダイヤルに割り当てることができる。本来、このマニュアルダイヤルは液晶モニターを閉じ、ビューファインダーを使って撮影するときに効果を発揮するものだが、このようにビューファインダー非搭載モデルのCX500(520)Vに採用されたことは喜ぶべきことだろう。また、その搭載位置が疑問視されることもあったが、今回設置されたマニュアルダイヤルの場所は納得のいくもので操作も非常にやりやすい。

液晶モニター(液晶ヨコボタン)
液晶ヨコボタンと同じ機能を、タッチパネル上で再現した。ハイアングルやローアングル撮影で便利だが、液晶面の操作は大きなブレにつながるのでなるべくグリップ側(右手)で操作したい

液晶モニター(マイメニュー)
マイメニューには「動画」「静止画」「再生」と、それぞれよく使う項目を6つ登録できる

録画操作部
ズームレバーとフォトボタン、動画/静止画を切り替えるモード切り替えボタン、録画ボタンといったシンプルな構成。ズームレバーの操作感はよく、速いズームからゆっくりとしたズームまで、スムーズに操作できる

鏡筒上面
映像に合わせて音声もズームする内蔵マイクと、アクティブインターフェースシューが配置される。このアクティブインターフェースシューのふたはスライド式で、ブラブラと邪魔だったり、なくしたりといった心配がない

レンズ周り
液晶オープンで電源が入り、オートレンズシャッターが連動する。レンズの上には静止画用のインテリジェントフラッシュを搭載

液晶モニター収納部
GPSスイッチやナイトショットボタンなど、物理的操作はわずかなもの。USB端子、HDMI端子、メモリースティックDuoのスロットなどは、通常ふたによって保護されている

マニュアルダイヤル
マニュアルダイヤルは操作しやすい。機能の割り当ては、マニュアルボタンを押し続けることで可能。マニュアル撮影の際は、マニュアルボタンを押してからダイヤルで操作する

そのほかの端子
グリップ部にAVリモート端子、背面に電源端子を装備する。どちらも使用時にふたを開くスタイルになっていて、コネクターを挿した状態でも邪魔にならない細かい作りだ

バッテリー
付属バッテリー「NP-FH60」は、連続撮影時間 約1時間55分、実撮影時間は約1時間となっている。ぜひとも予備バッテリーや、大型バッテリーを購入したい