天主堂跡の正面右手にある小高い丘を目指す。上には世界遺産のモンテの砦があり、丘一帯は市民の憩いの場となっていた。上り坂の途中には、小石がちりばめられた足つぼ健康用の道もあり、おばさんたちが談笑しながら体操をしていた。

砦といわれるだけあって、陸の上には大砲が置かれている。かつてポルトガルは、この丘から発砲し、攻め込んでくるオランダ艦隊を撃退したという。現在は、街を見下ろす展望台であり、マカオ博物館もここに建っている。聖ポール天主堂跡も見下ろせたが、その向こうには中国大陸がすぐ近くに眺められた。

砲台は22門あり、マカオの街を守っていた。現在は市民の憩いの場となっている

丘を降りて大堂(カテドラル)と大堂広場へ向かう。大堂は1622年の創設。日本、アジア地区の主教管区であり、カトリック教会の中心的な役割を果たしていたと伝えられる。手前の広場では、地元の人たちがベンチでくつろいでいた。公園の裏側の壁には、マカオの歴史を伝えるアズレージョが飾られていた。

(左)聖ポール天主堂跡方面の眺め。向こう側に見えるのは中国本土である(上)大堂はステンドグラスもすばらしい。建物の右手にある小さな公園はひと休みするのに最適だ

広場から路地を歩き、階段を降りると再び新馬路に出た。ここから老舗カジノのリスボア方面へと向かっていると、タイルを使ったような船やエビなどの絵が路上に点々と現れた。なんとなく、マカオにはぴったりのデザインに思えて写真を撮っていると、現地の女の子たちがくすくすと笑い、通り過ぎていった。

大堂広場の下の通りには、マカオの歴史を伝える数枚のアズレージョが見られる

通りの名前を記したプレートもアズレージョ風でとってもおしゃれだ

街中を歩くときには、足元にも注目してみよう。かわいらしいデザインが歩道のあちらこちらを飾っている