お父さん犬も登場して賑わいを見せたソフトバンクの発表会。勢いがどこまで続くのか?

2009年5月までに25カ月連続で純増数1位を記録しているソフトバンク。昨冬モデルからドコモが巻き返し、auも復調傾向が見られるため、今度どこまでユーザーを増やせるかに注目が集まる。今夏モデルには突出して話題を集めそうなモデルは見当たらなかったが、そんな中、6月9日にiPhoneの新モデル「iPhone 3G S」が発表された。9月30日まで実施予定の「iPhone for everybody キャンペーン」期間中の発売となるため、新規契約者は16GBが実質1万1520円、32GBが実質2万3040円という安さで手に入れることができる。今夏最大のヒットモデルとなる可能性が高い。

今夏注目したいひとつの動向として、iPhone 3G Sを主軸にしたスマートフォン市場の拡大が挙げられる。ドコモが発売するAndroidケータイこと「H-03A」も、高速CPUを搭載したWindows Mobile搭載の「T-01A」も、iPhoneの対抗馬として、従来のドコモのスマートフォンよりも安く価格で販売されることが濃厚。これに伴い、すでに発売されているスマートフォンの価格が見直される可能性も高い。通話用のケータイのほかに、もう1台持つネット接続用としてスマートフォンが本格的な普及期に移行していくかもしれない。auは純粋な意味でのスマートフォンは発表しなかったが、フルキーボードを備えた「biblio」はWi-Fi接続機能も備えており、フルブラウザを多用したいユーザーにも響きそうだ。

昨年来の純増数を見る限り、「ドコモ=復調、au=低調、ソフトバンク=順調」というのが世間の評価であろう。低価格化競争が底値安定傾向にあり、3Gケータイにおける進化が一段落した今、3社の純増数格差は狭まっていくのではないかと予測される。

7月からUQのWiMaxサービスが正式に始まり、8月からはイー・モバイルが3.5Gといえる下り最大21Mbpsのデータ通信サービスも開始する。来年度中にドコモは3.9Gと位置づけられるLTEを導入することも発表した。

通信環境が大きく変化する過渡期ともいえる2009年のケータイ市場。各社としては、既存ユーザーに現行最速モデル(ドコモ、ソフトバンクではHSDPA、auではRev.A)への乗り換えを促し、4G時代に向けた次なる商戦期に備えたいところであろう。