ソフトバンクはドコモの発表会と同じ日、5月19日の午前中に夏モデルの発表会を行った。毎回、格安の料金プランを発表したり、1,000万円もするティファニーのケータイを発表したり、破格な賞金の「S-1バトル」の開催を宣言したりインパクトのある"隠し球"で記者を驚かせることが多いのだが、今回の発表内容はソフトバンクにしてはやや控えめの印象を受けた。

3キャリアで最も多い19機種を発表したソフトバンク

メールを利用する「選べるかんたん動画」でパケット利用の増加を目指す

3キャリアで最多の19機種を用意したが、純粋に「ケータイ」と言えるのは16機種。ハイエンド端末の中には、ドコモが発表した機種と同仕様のものが多く、太陽光で充電できる「936SH」も、auが同様の機種を発売することを先行して発表していたためインパクトには欠けた。そのほかは、従来機種のマイナーチェンジといったものが多く、「ソフトバンクだけ」というオリジナリティをアピールできるのは、常時表示のサブディスプレイを搭載した「934SH」、コンパクト化したOMINIA「931SC」、エンポリオ・アルマーニとのコラボモデル「830SC」くらいであったように思う。

プロ野球やJリーグの試合のダイジェスト版が見られる新しい動画サービスも発表されたが、ここ最近、ドコモが大々的に動画キャンペーンを展開しているため、これも"後追い"という印象は否めなかった。

auは1週間遅れて、5月25日に発表会を行った。他社よりも機種数は少ないものの、電子書籍アプリを内蔵した「biblio」、ハイビジョンムービー撮影に対応した「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」、防水仕様になったSportio「Sportio water beat」など、セールスポイントが明確な機種が目を引いた。また同時に、月額390円で3件までのauケータイへの国内通話が話し放題になる「指定通話定額」、下限額390円からスタートする「ダブル定額スーパーライト」の導入も発表した]。

auが発表した夏モデルは8機種だけだが、新味が感じられる機種が注目を集めた

「去年と違う夏。」をキーワードに端末の個性をアピールした、コンシューマ商品統轄本部長の高橋誠氏

共通プラットフォーム「KCP+」の導入以来、純増数が伸び悩んで苦戦が強いられているauだが、今年は新ブランド「iida」を発表するなど、独自性をアピールして攻めの姿勢に転換していることが見受けられる。今夏の発表内容でもその傾向は顕著で、小野寺正社長は「外観を変えるだけでも一つの機種と数えらえるが、それを新機種とするのは意味がない」と語り、斬新な機能を搭載して、新しい需要を開拓していく意気込みをアピールしていた。