まず、気になったのが、世界的に不況が叫ばれるこの時期に、なぜ多大なコストをかけてまでイベントを開催しようと思ったのか、ということ。その鍵は昨年開催されたニューヨークでのイベントにあるらしい。
Kanye Westを招聘した「G-SHOCK 25TH ANNIVERSARY PARTY」
「昨年の5月、ニューヨークで開催したイベントは予想以上の反響でした。それまでアメリカでもG-SHOCKは認知されていたのですが、きちんとブランドの価値は伝わっていませんでした。そこで、G-SHOCKの本質である"タフ"という価値を伝えていきたいと思ったのです。イベントを二部構成とし、一部では製品の歴史や機能を紹介するためにカンファレンスを、二部では世界観を表現するためにパーティーを開催しました」
二部のパーティーでは、グラミー賞を何度も受賞しているヒップホップアーティストのKanye West(カニエ・ウェスト)を招聘。彼自身がG-SHOCKを愛用しているということも手伝い、現地ではG-SHOCKに対する見方にも変化が現れた。
「カシオアメリカの熱意ある交渉により、『G-SHOCKのイベントなら』ということで出演を快諾してくれたんです。カニエ・ウェストの登場は、対外的にはもちろん、カシオアメリカ社員にとっても衝撃だったみたいです。自分たちはカニエを呼べるほどのブランドを持っていたのか、と改めてG-SHOCKの凄さを再認識させられたと(笑)」
昨年は、アメリカ以外ではアジアでもイベントを開催し、いずれも好評を博したという。メディアはもちろん、マーケットからの評価も高く、取引先の拡大にもつながったそうだ。そして、今年さらにグローバルに展開していきたいということから、アジア、アメリカ、ヨーロッパという11カ国18都市でのワールドツアー「Shock the world tour 2009」の開催へと至った。……つづきを読む