COMPUTEX TAIPEI 2009に合わせて開催されたフォーラムの「e21FOURM 2009」では、Intelでセールス&マーケティング部門を統括する同社Executive Vice PresidentのSean Maloney氏が基調講演を行った。
Maloney氏はまず、Intelのプラットフォームを世界に展開するには、台湾に本社を置く多くのハードウェアベンダーの力が不可欠であることを強調し、これまでの台湾によるIntelへのサポートに対して謝意を述べた。Intelチップセットを搭載するデスクトップPC用マザーボードは、台湾における生産が10億枚を突破したという。
その上で、不況によりPC自体の販売が落ち込んでいることや、デスクトップPCに代わりモバイルPCが主流になりつつある流れを受けて、マザーボード事業の行く末を案ずる見方もあるが、Maloney氏は「私はそうは考えない。この先2年ほどの間にファンタスティックな好機が訪れる」と話す。PCの世界において革新的な技術は常にデスクトップに先に投入されるものであり、オールインワンPCのブーム、HDMIの普及、Nehalem世代のマイクロアーキテクチャをサポートするIntel 5シリーズチップセットへの移行といった背景に加え、Windows 7の登場といった一大イベントも控えている。デスクトップPCの買い換え需要はむしろ大きいというわけだ。
P55チップセット搭載マザーボードの発売はまだ少し先だが、既にCOMPUTEX会場では多数の製品が展示されており「移行はこのCOMPUTEXにおいて既に始まっている」(Maloney氏)。先行して登場しているX58チップセット搭載マザーボードと合わせて既に60製品以上が世に存在するとしている |
一方、市場においてモバイルPCの占める割合が伸びているのは明らかであり、日本や欧州に続き、北米でもモバイルPCの出荷数量がデスクトップPCを上回ったことで、全世界の統計でもついにモバイルのPCのシェアが50%を超えた。基調講演中でモバイル分野の説明担当者として登壇した同社Mobile Platforms GroupのGeneral Manager・Mooly Eden氏は、モバイルPCの普及拡大が十数年前からの携帯電話加入者の伸びと極めて近似した傾向を示しており、時代のトレンドは「一家に一台のPC」から「一人に一台のノートPC」へ移り変わろうとしていると指摘する。