世界遺産・キナバル自然公園
コタキナバル市街地から車を走らせること約2時間。2000年に世界遺産に登録されたキナバル自然公園がある。約700平方キロメートルという広大な敷地内には、低地から高地熱帯林、熱帯山地林など高度によって様々な環境があるため、5,000種を超える植物が生育している。中でもランは固有種も含めて約1,000種が確認されている。また、世界最大の花であるラフレシアが咲くことでも知られているが、花の命は数日。直径1mほどのこの花、見ることができるか否かはあなたの運次第。他には、世界最大のコケとされるドーソニアや固有種のウツボカズラも見ることができる。
そして、同自然公園のシンボル的な存在であるキナバル山。こちらは標高約4,100mで富士山より高く、東南アジア最高峰。登山コースは整備されており、比較的登りやすいとされている。ただし、富士山より高い山なので、本格的に登場を目指す際には宿泊やガイド、最低限の体力は必要となる。同自然公園には、植物だけではなく、絶滅の危機に瀕している哺乳類や鳥類、両生類が多く生息していることでも有名で、これらの動植物を観察しながらの登山や散策を楽しんでもらいたい。
「本格的な登山はちょっと……」という方には、気軽に楽しめるつり橋・キャノピーウォークをオススメしたい。こちらも同自然公園内にあり、一番高い場所は地上41m。空中散歩を楽しみながら、ジャングルの植物に目を向けるのも楽しい。
登山や散策の疲れは温泉で癒そう
キャノピーウォークやキナバル山登山を楽しんだ後は、同じく公園内にあるポーリン温泉で汗を流してはいかがだろう。この温泉は第2次世界大戦中に日本軍によって解説されたもので、硫黄鉱泉なので筋肉痛などに効能があるという。屋外温泉は無料で、個室タイプは有料となる。ただし、日本の温泉とは異なり、屋外温泉は水着の着用が必要となるのでご注意を。
テングザルを見逃すな!
また、ボルネオ島に来たなら忘れてはならないのがテングザル。大きく垂れ下がった鼻がなんともユーモラスなボルネオ島固有の霊長類となる(鼻が大きいのはオスのみで、メスは小さい)。夕方頃になると河岸の高い木に姿を現すので、テングザル観察のジャングルクルーズも多く企画されている。クルーズの多くは明るいうちに野生のテングザルを、日が沈んでからは川沿いのジャングルに現れるホタルを見ることができるので、昼と夜とで一変する自然の世界を堪能してもらいたい。
テングザル観察のジャングルクルーズは、コタキナバル市街地から2時間~2時間30分ほどのガラマ川やクリアス川で行われている。半日あれば観察可能なので、ツアー等で訪れてみてはいかがだろうか。