デジタル名刺、デジタル・メディアの可能性

ポーケンのエイリアン、芸者、パンダなどと銘打った人形型のデザインは、日本人からするとどれもとてもユニークで、ビジネスツールというよりも、やはりカジュアルな場でのコミュニケーションツールといった感じだ。また、実際に使ってみた限り、ポーケンをタッチさせることは簡単なのだが、登録・管理を行うWeb上のツールのインタフェースの使い勝手はいいとは言えない。日本で浸透させていくにはこのあたりの改良や工夫が求められる部分だと思われる。

日本での今回の展開を見ていると、アンテナの立ったユーザーの間で、クチコミで広まり、購入したユーザーが集まってパーティまで開催された。この間にテレビメディアが後追いする形で取り上げるなど、集まった人たちはアーリーアダプターの典型的な事例となっている。同様に、ポーケンを持って集まろうという「ポーケンパーティ」を計画する動きが国内各地でも出てきており、国内での販売元のアコニは、こうしたユーザー主体の企画へ協力、支援し盛り上げていきたいとしている。

こうして見ると、ポーケンは、現存のソーシャルメディアの橋渡しをするものでありながら、ポーケンそのものがWeb上のオン/オフラインを繋ぐソーシャルメディアの役を担えるものではないか。今後はさらに、Webサービス関連の情報を網羅できるという特徴を活かして、ポーケンにどのような情報を盛り込むことができるのか、それを使ってどのようなビジネスモデルが考えられるのかなど、デジタル名刺ガジェットとは別に、もう一歩進んだ「デジタル・メディア」や「デジタル・デバイス」といった可能性もある。ソーシャルネットワークをアクティブに利用する人たちだけではなく、あらかじめ面識のある人達の集団での利用や、プロフや交換ノートサイトを利用する女子高生専用ポーケンなど、様々な角度からのアプローチが出てくると面白いと感じている。