動きのある1枚の写真を作れるマルチモーション

動きを表現しつつ、写真の枚数は増やしたくない。そんなときに使えるのがマルチモーション撮影だ。これは高速連写で動きのある被写体を連続撮影し、その中から動きのある部分だけを抽出して一枚の写真に合成する機能なので、例えば犬がジャンプしながら画面内を横切っていく様子を動きを表現した1枚の写真にすることができる。

従来ならば高速連写した写真をPhotoshopなどの画像編集ソフト内でレイヤーを使用して切り貼りしなければならなかったが、ベストショットメニューにあるマルチモーションを使用すれば、カメラをできるだけ固定しておき(手持ちでも可)、画面内に動きのある被写体が入った瞬間にシャッターを押すだけで自動で写真が合成される。

マルチモーション機能を使った撮影。一枚の写真で一連の動きを確認できるのが面白い

なかなか被写体が思ったところを動かないという撮影上の苦労はあるが、ぴたりとハマったときにはなかなか面白い写真を撮ることができるだろう。

気軽にスローモーション映像が撮れるハイスピードムービー

ディスクドッグ大会の撮影で、とても面白く、見ていて楽しいのが動画のスローモーションだ。EX-FC100のハイスピードムービーは秒間1,000コマといういままでは超特殊な機材を使用しなければ撮れなかったハイスピードムービーを撮影することができるが、さすがにディスクドッグ大会の撮影にはそこまでは不要だろう。

210fpsモードの動画がディスクドッグの動きが細かく再現でき、かつ撮影される動画のサイズとの兼ね合いでおすすめだろう。また、このモードでは、30fpsの通常速度と再生時に7倍のスロー映像が楽しめる210fpsのハイスピード撮影がボタン一つで切り替えができるので、普通に犬がコートを走り回っているときは通常速度、いざジャンプしてキャッチするときになったらハイスピード撮影というように切り替えながら撮影すると、見ていてビジュアル的なインパクトも大きく、また無駄にスロー映像を見ることもないのでとても効果的で便利だ。

こればかりは文字で説明するよりも動画をみていただいたほうが実感できるだろう。

動画
通常速度とスロー映像の撮影を切り替えたハイスピードムービー

もちろん、HIGH SPEED EXILIMシリーズではHD動画も撮影可能になっている。従来デジタルカメラの動画撮影機能はオマケの要素が強かったが、EX-F1以来、本格的なHD動画撮影機能が搭載され、ビデオカメラとデジタルカメラの2台を持ち歩かなくても、1台でビデオも写真も撮影できるようになってきた。VGA動画くらいだとパソコンで見るにはよいが最近の大画面液晶テレビで見るには少々画像が粗い。これからビデオカメラもHD動画が主流になっていく中、デジタルカメラでもHD動画が撮影できるのは重要な機能になる。HIGH SPEED EXILIMシリーズでは、機種によりフルハイビジョンまたはハイビジョンの動画が撮影可能であり、カメラ内またはパソコンで編集することでビデオカメラ並みの一般動画撮影もできる。

動画を撮りながら静止画も撮れる

また、EX-FC100では、動画のボタンと写真のシャッターボタンが別になっている。これは、撮影モードを切り替えなくても動画と写真を簡単に撮り分けることができるという目的もあるが、HD動画を撮影中に写真を撮るためだ。ビデオカメラとデジタルカメラの2台を持って、両方の操作をするのはとても大変だが、ビデオの撮影ボタンを押してビデオ録画をスタートした後で、写真としても撮っておきたいタイミングがあれば、そのままシャッターボタンを押すだけで写真が残せるのはホームユースのカメラとしても便利でよく考えられた機能だろう。……続きを読む