連続した動きを逃さない高速連写
HIGH SPEED EXILIMシリーズの特徴である高速連写を利用すれば、高級一眼レフを使用しても撮影できない写真が撮れる。1秒間に30枚(EX-FC100の場合。EX-F1では60枚/秒)といえば、ビデオの動画なみの撮影間隔なので、相当に速い被写体でも最高の瞬間が撮影された1枚を得ることができるだろう。
高速連写を利用する目的は2つあって、1つは数十枚の写真の中から最高のタイミングの1枚を選ぶこと、もう1つは数十枚の連続した写真で一連の動きを再現することだ。動きの再現といえば、一般的にはビデオが思い浮かぶが、ビデオは持ち歩きやWebでの公開には制限がある。写真ならばプリントアウトしたりWebに掲載するのも気軽にできるし、ビデオと違ってじっくり見ることも手早く見ることもできるので閲覧の利便性も高い。
高速連写には2つのモードがある。1つは普通のカメラにもある連写モードで、シャッターボタンを押した瞬間から最大30枚の連続した撮影を行うもの。あらかじめ動きが予測できるものの撮影に便利。もう1つは「パスト連写」機能で、シャッターボタンを押した瞬間から時間を遡って、シャッターを押す前の映像を記録するものだ。犬がジャンプする瞬間を目で確認してからシャッターを押したのでは、まさにジャンプする瞬間は当然ながら撮影できない。だが、パスト連写機能で例えば連写速度を30枚/秒に設定した場合、シャッターを半押しした状態でジャンプしたのを見た瞬間にシャッターボタンを押すと、押したタイミングから遡って、最大0.83秒前からが記録される。こうしておけば、ジャンプ直前の犬の筋肉の緊張から空中に飛び上がっているときまでの連続写真が撮影できるわけだ。逆に、ジャンプして空中を飛んでいる様子を撮りたいのであれば、パスト連写を使わずに一般の連写機能で、ジャンプした瞬間にシャッターを押せば滞空中の写真を連写することができる。用途に合わせた2つの連写機能で撮りたい瞬間を逃さないということだ。
誰でもベストショットが撮れるスローモーションビュー
連写機能は便利だが、反面、一回の撮影で数十枚の写真が撮れて保存に時間がかかってしまうというデメリットもある。一連の流れではなく、決定的な瞬間を1枚撮れればよいというニーズもあるだろう。
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そんなときに便利なのが「スローモーションビュー」機能だ。動きが速い被写体の撮影が難しいのは、人間の動体視力やシャッターを押すタイミングが動きについていけないからだ。逆に言えば、動く被写体が、スローモーションのようにゆっくり動いて見えたら、ベストショットが撮れるのではないか。
EX-FC100に搭載されているスローモーションビュー機能は、そんな「世界がスローモーションになる」ことを実現している。この機能はEX-F1にもベストショット機能の一つである「スローライブ」として搭載されていたが、EX-FC100では使いやすいように独立したボタンが設けられた。
使い方は簡単で、普通に被写体にレンズを向けながら、本体背面の左上にあるスローモーションビューボタンを押すだけだ。その瞬間、液晶に表示されている被写体がまるで時間にブレーキがかかったようにスローモーションになる。あとは狙った瞬間が来るのを待ち、ベストなタイミングでシャッターボタンを押すだけで、誰でも最高のシャッターチャンスをものにすることができる。
また、ある程度撮影に慣れた人で、デジタルカメラ特有のシャッターのタイムラグに悩む人は、「タイムラグ補正」を使用してみるのもよい。目で被写体を見ていて、「ここだ!」と思ってシャッターを押したとしても、指の反射タイムラグ、シャッターを全部押し込むのに要する時間、カメラが反応するタイミングでどうしても0.1秒程度のタイムラグが発生してしまう。タイムラグ補正機能では、事前にそのタイムラグの見込み値を設定しておくことで、撮りたいと思った瞬間に遡って写真を1枚撮影することができる。一般的な人間の反射タイムラグは0.1秒から0.2秒と言われており、タイムラグ補正機能では0.1秒、0.2秒、0.3秒から遡る時間を設定できる。自分の反射時間を試してみるのもよいだろう。……続きを読む