端末カラーについてのニーズと先進性を取り入れて、TYPE-Sでは、紺がかったイメージのNAVYを販売。その後、高級感を表現したワインレッドのBURGUNDYとBLACKを加えて3色で展開した。BLACKは手になじむような触感があるデザインが特徴だ。
米国向け第一弾のG'zOne TYPE-Vのカラーは、ガンメタリック |
G'zOne TYPE-Sは、NAVY / BURGUNDY / BLACKの3色展開 |
G'zOne BOULDERは、SILVER とORANGEの2色。フェイス部に耐水スピーカーを搭載したモデルも用意されている |
第三弾のG'zOne BOULDERは、ラグドなイメージと硬質間を併せ持つデザインを採用した。端末の周囲に触感のあるブラックを配色したSILVERとレスキューやセーフガード、アウトドアをイメージしたORANGEの2色を用意した。このように、常に米国市場のニーズを意識した製品開発を行っている。
また機能面においても、米国市場向けのカスタマイズが施されている。現在の米国の携帯電話市場では、必ずしも、日本で言う「全部入り」の多機能携帯電話が求められているわけではないという。
米国のニーズにあった機能としては「Bluetooth」や携帯電話をトランシーバーのように使える「PTT(Push to Talk)」などがあげられる。米国では、Bluetooth機能を利用してワイヤレスハンズフリー通話を行うユーザーが多く、Bluetoothの機能の搭載は必須だったという。このニーズに対し、カシオではG'zOne TYPE-Sで日本モデルより先にBluetooth機能を搭載。PTT機能については、法人ニーズが強いという。G'zOne BOULDERでは更に進化したPTT機能への対応を実現している。進化したこの機能では月額5ドル程度の料金で、50人への一斉同報ができるようになっている。
「比較」の迷宮を脱し、愛着感じられるケータイを目指す
これまで、米国市場にG'zOneシリーズ3機種を投入してきたカシオ計算機。米国でのG'zOneブランドの認知度も、タフというキーワードとともに高まってきている。高橋氏は、米国でのブランド認知を確立した理由について、「日本ではこうだからというように、日本市場と比較して製品を開発するのではなく、現地のニーズへ対応し続けた結果がG'zOneブランドの認知に繋がった。日本市場と参入した国の比較に固執しているうちは、海外市場では勝てないだろうと考えている」と説明する。
また、米Verizon Wirelessとの協力関係については、「Verizon Wirelessの通信網は、どこでも使うことのできる信頼性の高いネットワークとお客様にも大変評価されています。この通信面の信頼とタフなG'zOneは、ライフラインケータイとしての信頼性という面で相性が良かった」という。今後も、両社の協力関係を強化し、現地のユーザーニーズに合わせた製品開発を行う方針だ。
カシオでは、携帯電話を単なる情報機器としてではなく、ユーザーと行動をともにするパートナーのような存在と捉えているという。もちろん、海外展開を行ううえでも、この思想が活かされている。「現地の顧客がより望んでいるものを製品として作り込んで提供しつづけていきたい」と高橋氏は語る。
米国は国土も広く、人口も多い。人々の嗜好もさまざまだ。カシオは、海外市場に打って出るにあたり、常に現地のニーズを意識したモノづくりを考えている。その結果として、米国ではライフラインとしての携帯電話のニーズに着目し、”タフネス”をウリにしたG'zOneシリーズを投入した。これは、同社がもつ技術資産を活かしたオンリーワンの製品だといえる。今後、カシオの海外向け端末は、どのように進化していくのだろうか。さらなる進化を期待したい。