個人ユーザーからの反応については、「ビジネス向けとコンシューマー向けでは大きく分かれるが、双方から大きな反響を得ている」とのことで、防水・耐衝撃性能を備えたカシオの人気腕時計「G-SHOCK」のイメージもあり、サーフィンなどのエクストリームスポーツを楽しむユーザーから、"どこにでも持っていける携帯電話"として評価されている。このほか、水に強く故障しにくい機能性が評価され、母親が子どもに持たせたい携帯電話としても反響があったという。
G'zOneシリーズの堅牢性を示す事例について、高橋氏は次のように説明する。「ユーザーから直接G'zOneの評価をいただくこともあります。あるユーザーは、雪の中でG'zOneを落としてしまい、探したのですが見つからなかった。結局、その時は諦めたそうなんですが、雪解けによって出てきた――。見つかった携帯電話の電源を入れたら、落としてから1週間経っていたのにちゃんと動作したそうです。そのユーザーは、たいへん感動したといってメールを送ってきてくれました。ほかにも、釣りをしていてG'zOneを湖に落としてしまったユーザーが、釣り針に携帯電話をひっかけて吊り上げたら、やはりちゃんと使えたといった話もあります」。
米国向け第1弾のG'zOne TYPE-Vが発売された頃は、ほとんど誰も知らないような状況だった。TYPE-Vに続いてTYPE-Sを投入した段階で、「rugged(ごつごつした、頑丈な、丈夫な)なケータイ」としての認知が広まったのだという。
多岐にわたる、日米でのニーズの差
さて、日本の携帯電話とは異なるニーズが存在する米国市場だが、カシオではどのような製品作りをしているのだろうか。米国向けG'zOneのデザインについて高橋氏は次のように説明する。「米国向けの端末をデザインするうえで重要なのは、コンセプトをわかりやすくすることです。そうでないと、店頭で手にとってもらえません」。
海外向けのG'zOneシリーズのテザインは、サブ液晶周りのリングに金属系の素材を採用するなど、カシオの高い品質や素材の質感を強調したデザインを採用し、タフネスさを強く打ち出している。また、日本向けのカシオ端末とおなじく、ユーザビリティについても注力している。筐体の側面に傾斜をつけることで、端末を開く際に指が引っ掛かりやすい設計にしたり、テンキーに凹凸をつけ、指でさわりやすいよう配慮したりと、カシオならではの設計思想は日本も米国も変わらない。
端末のカラーリングについては、米国向け第1号のG'zOne TYPE-Vではガンメタリックカラーの1色で展開した。「米国市場では基本的に、1機種1色がほとんどでした。最初はガンメタル系で、タフさをわかりやすく表現しました。米国ではシルバーとブラックの人気が高かったのですが、調査してみると、ほかの色へのニーズもありました」(高橋氏)。