type Pを開発するにあたって、メンバーが念頭に置いたのが「いかにお客様に快適に使用していただくか」だったという。そのため、ソニースタイルのCTO「VAIOオーナーメード」で選択できるオプション機能についても、さまざまな角度から検証を行った。

通信モジュール。指で触っている部分がWWANで、右上がBluetooth、その下が無線LANモジュールになる

ワンセグモデルの場合は通信モジュールのWWAN部分にワンセグチューナーが搭載される

鈴木「今回ワンセグモデルは内蔵アンテナを使用しています。これにはふたつの理由があります。ひとつは、デザイン的にロッドアンテナなど外に出っ張るようなものを採用したくなかったということ。もうひとつは、このフォルムで外部に出るアンテナを入れると、アンテナを出した際に堅牢性が下がってしまうんですね。それを避けたかったんです。内蔵アンテナだと感度を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、感度はアンテナの位置だけでなくモジュールの性能や本体からの電気的なノイズなども大きく影響します。そこで、これまでのVAIOで積み上げてきたノウハウを活かして、そのあたりを調整して従来のワンセグ搭載ノートと遜色ない感度を実現しています」

伊藤「ノイズキャンセリング機能をCTOメニューに用意したのも、お客様の利用シーンを想定して快適に使用していただくため。電車や飛行機の中では、カナル型のヘッドフォンをつけていても音がききづらいですから。私も実際に飛行機に乗ったときに試してみましたが、すごく快適に時間を過ごせましたよ。ぜひみなさんにも活用していただきたいですね」

鈴木「今後も、type Pの受け入れられ方を見ながら、さまざまな方向性を模索していきたいと思っています。同時に、現在のモデルも、より魅力的なものにしてきたいですね。たとえば、スティックポインタの感度をより細かく設定できる機能をソフトウェアアップデートで提供する、といったこともそのひとつ。今後の展開にもぜひ注目していてください」

今回type Pを分解していただいた機構設計担当の鬼頭紀子氏