type Pの基板は大きく分けると、マザーボードとストレージ、無線LAN、インタフェースの4つになる。このほかにも、細かい基板がいくつも搭載されている。基板同士は、大半が「フレックスリジット」という技術で接続されている。

主要な基板をフレームから取り外した状態

基板と基板は、フレキと呼ばれる薄いフィルムのようなものでつなげられている

鈴木「基板同士は、茶色の薄いフィルム状のフレキというケーブルでつながっています。通常の基板には、このフレキを接続する部分にコネクタがあるんです。しかし、それだとコネクタ分のスペースが必要になります。そこで、今回は基板に直接フレキを取り付けるフレックスリジットという技術を使ってスペースを稼いでいます」

取り外されたマザーボード

フレックスリジットを使うと、小さな基板をつくって一部のパーツをそこに"逃がす"ことも比較的簡単にできる。今回も、そのようにして空きスペースを有効に利用しているという。

鬼頭「フレックスリジットにはほかにもメリットがあります。たとえば、今回はDCジャックの基板をフレックスリジットでつないでいますが、そのフレキ部分をあえてたわませて遊びをつけています。こうすることによって、ジャックにコネクタを差し込んだときにフレキがバネのような働きをして、衝撃を和らげることができるんですよ」

DCジャックの基板とUSBの基板の間のフレキが山形に曲げられている。ジャックに力が加わったときに衝撃を和らげるための工夫だ

フレックスリジット自体は、新しい技術ではなく、既存の製品にも使われている。しかし、コスト的な問題や設計の難しさもあり、従来は一部の基板にしか使われていなかった。VAIOでこれだけ大々的に使用したのは今回が初めてとのことだ。