ゲームの基本システム
~跳んで跳ねて掴まって。困った時はエリカ様~
ゲーム世界は24個のエリアに分かれており、ゲーム開始時はすべてが闇に飲まれた不毛な土地になってしまっている。しかし、それぞれのエリアには「豊穣の台座」と呼ばれる魔法陣のようなものがあり、ここに到達してエリカ様が浄化の魔法を唱えることで、そのエリアに光を取り戻すことができる。
つまり広大なマップの中を往来して各エリアの「豊穣の台座」を探し出すことがゲームの基本方針となる。『アサシン クリード』のエンジンを採用していることもあって、遥か遠方までが見える広大なゲーム世界にクラクラしてしまいそうだが、大丈夫。マップ画面を出して、24個のエリアのうち、探索したいエリアをマークすれば、以降、プレイ中の非アクション状態時にエリカ召喚ボタンを押すことで、そのエリアの「豊穣の台座」に向かって、エリカ様が魔法のほうき星を飛ばしてくれるのだ。このほうき星の行き先を覚えて、その方向に走ればいい。このほうき星魔法は「コンパス」と命名されており、何度でも使用可能。だから、広大なゲーム世界でも絶対に迷うことがない。これもかなりの親切設計だといえる。
どこへ向かうのかがわかっても、ただ歩いていけるほど本作のゲーム世界は穏やかではない。細い足場の連続ならばまだいいほうで、足場そのものがなかったり、絶壁を駆けていかなければならない危険な地帯が続いたりすることも多い。プリンスは一定距離までならば忍者のような壁走りが可能で、ジャンプをして別の壁に飛び移れば、ふたたび壁走りを再開することができる。このアクション特性を活かして、壁から壁へ飛び移っては走るを繰り返して進んでいくことになる。
前述したように、細い足場への着地は自動で行われるので、操作タイミングはそれほどシビアに考えなくてもよいが、目下が霞んで見えるほど高地のシチュエーションで、棒きれに着地するときのスリルは満点だ。大画面でプレイすれば、尻がすくんだり、胆が冷えたりが、とっても楽しくなる。
どうしても到達できそうにない局面では、新要素のアクションを使えばよい。天井や壁になにやら輪っかのようなオブジェクトがあれば、「つかみ」アクションでガントレットを引っかけることが可能。雲梯のような天井を伝ったり、あるいは壁走りをさらに延長できたりする。
ジャンプ距離が足りずに墜落しそうなときはエリカ様を召喚して、空中手繋ぎによる魅惑の二段ジャンプを敢行すればよいのだ。
ゲーム世界自体が謎というか、ゲーム世界そのものが地形パズルになっており、本作はまさに「バーチャルワールドでのアスレチック」といった風情のゲーム性になっている。なお、24個のエリアはどこから浄化してもよいが、「パワープレート」と呼ばれる魔力の封じ込められた足場を活用しないと行けないエリアもある。よって序盤は自ずと向かう場所が何カ所かに決まってくる。
「パワープレート」は魔力の種類によって「青」「赤」「黄」「緑」の4タイプが存在し、エリカ様と一緒に乗ることで効果が発動される。その"効果"とは、簡単にいってしまえば重力を無視した飛行術/歩行術のことで、通常の壁走りやジャンプでは行けない場所に飛んで行ったり、あるいは重力の影響を無視して走れたりするようになる。
しかし、アフラ国王のアーリマン解放の画策の副作用なのか、ゲーム開始直後の「パワープレート」は魔力を失っており、先に進めないと感じたときには、この再起動を先に行う必要がある。「パワープレート」の起動は、"事の発端"となっているゲーム世界のスタート地点となる寺院にて、冒険中に手に入れた「光の種」を元手に行う。「光の種」はエリア浄化後にそのエリアのマップ中の各場所に出現し、これにプリンスが触れることで獲得できる。
つまり、旅の"行き"は「豊穣の台座」を目指し、"帰り"は「光の種」の回収に従事するのが本作のゲームプレイの流れになる。エリアの浄化前と浄化後とではゲーム世界の様相がだいぶ異なっており、さらに「光の種」はかなりチャレンジングな場所に出現するので、これまたスリリングなアクションプレイが楽しめる。まぁ、『スーパーマリオ』でいえば"隠れボーナスステージ"なプレイ感覚という感じ。レースゲームでいえば逆走コースというイメージだろうか。