消費電力テスト
テストの最後に消費電力値を計測してみた。まず、ピークの計測は先に計測したCRYSIS WARHEADと同じ条件で、1920×1200ドット計測中の最大値を採用した。そして、アイドル時はWindowsの電力管理からBalancedを選択し、15分ほど放置した後の最小値を採用している。まず、GeForce GTX 285は確かにGTX 280よりも省電力であることが確認された。ピーク値に思ったほどの差が無いところは、テストの負荷具合に依るものだろうか。GeForce GTX 285がRadeon HD 4870の消費電力値に迫るかと予想していた点からすればやや惜しいところだが、実際、GeForce GTX 280よりも低消費電力で、アイドル時ではRadeon HD 4870よりも低消費電力なのだから合格点だ。
また、やや目を疑ったのがGeForce GTX 295のピーク値がRadeon HD 4870 X2よりも低消費電力だった点。これのみ再起動して再テストしたり、他のベンチマークを計測後に再テストしてみたが、とりあえず今回はこのような結果となった。なお、GeForce GTX 295はベンチマーク後にカードを触ってもそれほど熱くない。対するRadeon HD 4870 X2は(とくに金属レール部などで)明らかに「熱い」といった具合だ。今回テストした限りでは、GeForce GTX 295が確かに低消費電力であると感じ、また、Radeon HD 4870 X2はもう一歩冷却機構を詰める必要があるとの印象を持った。
まとめ
GeForce GTX 295、同GTX 285を試してきたが、GeForce GTX 295は単体カードとしてRadeon HD 4870 X2から現時点での最速を奪還し、GeForce GTX 285は低消費電力と10%前後の性能アップを果たしている。
店頭販売価格はGeForce GTX 295が5~6万円、GeForce GTX 285が4~5万円あたりである。GeForce GTX 295とGTX 285との価格差はおよそ1万円強といったところであるようだ。今回のテスト結果からは、性能重視なら1万円強を加えてもGeForce GTX 295、ゲームもやるが消費電力を重視ならGeForce GTX 285といったところだろうか。想像よりもGeForce GTX 295がひとつ安い価格帯だったため、ややGeForce GTX 285の魅力が陰ってしまった印象だ。
そしてマルチGPU構成を考えてもややGeForce GTX 295の方がおすすめだろうか。Quad-SLIは2本、3-way SLIには3本のPCI Express x16スロットが必要であるが、当然前者の条件を満たす製品の方が揃っている。ただ、GeForce GTX 285にはオーバークロック版も登場しているとおり、設計マージンがあるようにも見える。NVIDIAの資料によればGeForce GTX 295のQuad-SLIとGeForce GTX 285の3-way SLIでは一長一短、拮抗しているようだ。オーバークロック版GeForce GTX 285の3-way SLIこそが最速、という可能性も否定できないだろう。