ベンチマーク
では3DMark 06のOverallから。今回はスコアにして10000から19000の間を抽出しグラフ化しているため、注意して欲しい。まずGeForce GTX 295にフォーカスしてみよう。通常設定・高画質設定とも、わずかながらにRadeon HD 4870 X2が上回るスコアを見せているが、これをプレビュー時と比較してみよう。そのプレビューでは、GeForce GTX 295をCore 2 Duo E8500(3.16GHz)システムで計測し、参考として同じ構成でさらに昔に計測したRadeon HD 4870 X2のスコアを掲載している。その時の差と、今回計測した結果を比較すると、その差はかなり縮んでいる。この結果から、GeForce GTX 295を活用するには、高性能なプロセッサが必須ということがわかる。例えばCPUにより高性能なCore i7 Extreme 965を使った場合などは、さらにスコアを伸ばす可能性もあるだろう。
GeForce GTX 285に目を向けると、通常設定ではGeForce GTX 280比で1%前後、高画質設定では1%~3%ほどの向上が見られ、この差は高解像度でより広がる傾向だ。なお、GeForce GTX 285と280のGPU部分でのクロック比はおよそ1%となる。そしてメモリのクロック比がおよそ3%となる。低解像度ではGPU性能比が、高解像度ではテクスチャデータ等の増大でメモリの性能比が表面化したと見ることも出来る。なお、GeForce GTX 28xとRadeon HD 4870とは大差でGeForceに軍配が上がっている。
グラフ3は、3DMark 06でのShaderModel 2.0テスト、HDR/ShaderModel 3.0テスト、CPUテストのスコアだ。3DMark 06におけるおおよその傾向が把握できるが、ShaderModel 2.0においてはGeForce GTX 200シリーズが優位、その他2つではRadeon HD 4000シリーズが優位という結果だ。
次に現行の3Dベンチマークとして3DMark Vantageの移ろう。まずはPhysXオンの結果から。PhysXオンでのGeForce GTXは圧倒的で、GeForce GTX 295は20000 3DMarksを超え、GeForce GTX 285もRadeon HD 4870 X2に迫るスコアを見せる。
ではPhysXオフならどうか、というのがグラフ5/6だ。結果は、PhysXオフでもライバルを上回る成績である。ちゃんとグラフィック部分で性能差が現れているという証拠がグラフ6。さらにGeForce GTX 285は、GTX 280に対し1ポイントずつ確実にポイントを重ねている。また、とくにGeForce GTX 295に関しては標準ベンチマークとも言える3DMark Vantageにおいてトップとなるわけで、現在最強の単体グラフィックスカードと言って構わないだろう。
グラフ7は3DMark VantageのFeature Testの結果だ。各テストのスコア差が大きいため相対グラフにしてある点には注意して欲しい。それぞれのテスト毎に、それぞれの数値を比較してみると、妥当な結果ではある。が、シングルGPU→デュアルGPU時のスケールアップを比較すると、素直に2倍前後が出るRadeon HD 4000シリーズに対し、もちろん仕様上GeForce GTX 295がGTX 285×2という構成でないことを考慮しても、GeForceシリーズはここに課題が残る。また、SLIの理想的な効率を約1.6~1.7倍と仮定して、しかしそれに達していないテストがいくつかある点はさらなるドライバの最適化にも期待したい。