コントラスト検出は遅くない
オートフォーカスはすばらしくいい。チャートを使用するいつものテストでは、平均で約0.7秒と、キヤノンのプロ機並みの成績だった。コントラスト検出式の特性上、中央・左端など、測距する位置に関わらず同じフォーカス性能を発揮するのもいい。逆に、暗くなって被写体のコントラストが読み取りづらくなると合焦しづらくなる。それでもこの速さは大したものだと思う。
ライブビューを搭載する一眼レフが増えてきたが、コントラスト検出では軒並みフォーカスが遅くなる。しかしDMC-G1の好成績を考えると、コントラスト検出そのものが遅いのではなく、専用のレンズやフォーカス機構でないことがその理由になっていることがわかる。
オートフォーカスモードは、任意にAFポイントを選択できる「1点」、カメラまかせの「23点」、人物の顔を判断する「顔認識」のほか、動いている被写体でも追いかける「追尾AF」の4種類。顔認識の精度は高い。画面に顔が入ったとたんに黄色い枠が顔を囲み、シャッターボタン半押しですぐさまピントが合う(枠が緑色に変わる)。「追尾AF」はシャッター半押しで被写体にピントをロックすると、被写体が動いてもピントを合わせ続けるもの。いったん合わせると追従性はかなり高いのだが、ブランコのように最初から動いている被写体にはロックさせられなかった。ちょっと被写体を選びそうだ。
フォーカスモードは「顔認識」、「追尾AF」、「23点(自動選択)」、「1点」の4種類 |
「1点」はAFポイントの移動はもちろん、エリア枠の大きさも変えられる |
顔認識AF。露出も顔に合わせられる。最大で15人まで認識する |
連写、コンティニュアスAFは苦手?
フォーカスそのものは非常に高速なDMC-G1だが連写は苦手のようだ。1カット撮影するたびにモニターがブラックアウトし、何も見えなくなる。これでは被写体を追うことはできないだろう。一般的な一眼レフでいうところの像消失時間が長い。
また、連続してピントを合わせるコンティニュアスAF(AFC)もいまひとつ。ピントが合わず、シャッターが下りないことが多かった。流し撮りでもシングルAF(AFS)のほうがはるかに成功率は高かった。シングルでのフォーカスが速いのだから、コンティニュアスでも速くできそうなものだが、コントラスト検出式AFは勝手が違うのかもしれない。
手ブレ補正機能(レンズ側)は悪くない。使用したレンズはG14-45mmだけだが、手ブレで悩むようなことはなかった。また、手ブレ補正のモードが3種類用意されており、流し撮りには横方向の補正をキャンセルする「MODE3」が推奨されているが、常時補正を行なう「MODE1」のまま普通に流し撮りで撮影できた。このあたりは悩まずに済みそうだ。