操作ボタン・ダイヤルは多めに装備

DMC-G1は非常にコンパクトである。感動するほどに小さい。ボディ本体も小さいが、キットレンズのG14-45mmが何ともいえずにかわいい。ミニチュアのようだが、かといって安っぽくはない。ホールド性が……などと大上段にかまえると、けっしていい評価にはならないだろう。男性の手はもちろん、女性の手にも小さいほどで、使いやすいとはいいきれない。しかしそれでも許してしまおうと思えるのだから、圧倒的な小ささというのはすごいと思う。

小さいボディながら、ボタンやスイッチ類は多い。DMC-L10同様のレバー式「ドライブモードレバー」や、「フォーカスモード」のダイヤルまで装備している。背面も狭い。フリーアングルタイプの3.0型モニターのためもあって、カーソルボタン(十字キー)は右端に追いやられている。モニターサイズを小さくするのは何だとしても、フリーアングルモニターではなく、上下動だけのチルト式にすればもっとスペースは確保できたと思う。

ボタンは小さく、少々重め。となりのボタンに触れやすいため、誤操作を避けるために重めなのだろうが、少々重すぎに感じる。よく使う「Q.MENU」ボタンで特に気になった。カーソルボタンに使用頻度の高い機能が割りつけてあるが、左側(オートフォーカスモード)はモニターが出っ張っているために使いづらい。ただ、操作系は悪くない。「Q.MENU」ボタンから常用する機能はほとんど設定できる。ドライブモードのレバーも、やはり便利である。

非常にコンパクト。通常の一眼レフのように構えようとすると手が余る

レリーズはしっかりしたフィーリングだが、音はコンパクトに近い

押すことで露出補正などのモードに切り替わるユニークな前ダイヤル

メニュー操作。カーソルボタンが小さく、特に左ボタンは操作しづらい

通常の撮影画面。当然ながら、ライブビューが標準モード

全自動のiAモード。逆光補正などが自動で働く

アドバンスシーンモードは、さらに細かくシーンが選択できる

前ダイヤルを押すと露出補正のモードになり、続けてダイヤルを回すと補正が可能になる

画素数と縦横比の設定。撮影現場では「4:3」と「3:2」を間違えやすい

ISO感度の設定。「i ISO」(インテリジェントISO)は、明るさだけでなく、被写体の動きにも応じて感度を変える

操作のポイントは前ダイヤルと「Q.MENU」ボタン

ユニークなのは露出補正などで使う前ダイヤルだ。そのまま回すと絞りやシャッター速度が変化し、一度押してから回すと露出補正になる。なにやら携帯電話のようで、DMC-G1にとても似合っている。ただ、押す操作がうまく反応しないことがあって、気がついたらモードが変わっていたこともあった。露出補正の起動は「LVF/LCD」ボタンに割り振ることもできる。

「Q.MENU」からの操作でも露出が補正できる。それはいいのだが、横向きにバー表示が出るのに、プラスマイナスの補正はカーソルボタンの上下キーで操作する。これは少々違和感がある。それと些細なことだが、「画像縦横比」の「4:3」と「3:2」のアイコンがよく似ているため、4:3のつもりが3:2で撮影していたこともあった。ひと目で違いがわかる図柄にしてほしい。

リレーズは"パシャン"というコンパクトに近い音。ミラーユニットがないために非常に静かで、ほとんどショックらしいショックもない。これはいいと思う。

撮影直後の表示では、自動で拡大表示(4倍)も可能。例えばズーム3秒、レビュー5秒に設定しておけば、拡大表示の後、全体表示に切り替わる。これは便利だが、できればもっと長い秒数が指定できるようにしてほしい。ちなみに手動での通常拡大は最大で16倍。基本的には画像中央を中心に拡大し、フォーカス位置は考慮されない。

それと、一般的なユーザーにはあまり関係ないかもしれないが、撮影時にもビデオ出力ができると記事制作者にとってはありがたい。

再生時の通常画面。「DISPLAY」ボタンで表示は切り替わる

再生の精細情報表示。より細かな撮影情報が確認できる

ヒストグラム表示。RGBなどの色別ヒストグラムが確認できる

再生時の拡大表示。拡大にはは前ダイヤルを使用する

最大まで拡大した状態。ピントの確認も十分できる

前ダイヤルを逆に回すとサムネイル表示となり、さらに回すとカレンダー表示になる

撮影状態で「DISPLAY」ボタンを押すと、この「LCD撮影情報画面」に切り替わる。設定用の画面

左の画面で露出補正を行なった状態。グラフィカルに表示される

同じく、左の画面での記録画素数の変更。こちらなら間違えにくい

通常のメニュー。撮影メニューの多くは、他のボタンから操作できる

カスタムメニュー。他に最近使用したメニューを5つまで記憶する「マイメニュー」もある

左の画面から、「露出設定切替」メニューを開いたところ