――40nmプロセス品にはもう1つ、HardCopy IVというものも用意されていますよね。
こちらは、デザインを終えたFPGAを、機能が同等でピン互換があるASICデバイスに移行するというもので、コスト的要因やデザイン・セキュリティ上の問題を抱えるカスタマなどが主に活用しています。
FPGAと同じソフトウェアを使用できるので、問題なくFPGAから移行できるのが売りで、検証などもFPGAでできますし、I/O、プロセス、特性もFPGAと同じであり、タイミング合成の問題なども発生しないのが特長です。
先述もしましたが、これはAlteraのデザインメソドロジの観点が生み出したものであり、実のところ、カスタマの考えたデザインを実現できればデバイスは、DSPであろうとマイコンであろうと何でも良いのです。ただ、我々はFPGAを提供していますし、要求次第ではASIC化もできるような用意をしているというだけです。
実際、このデバイスを始めて受け入れてくれたのが日本で、今でも日本が全デザインに占める割合は20%以上と、売り上げ比率以上に高いものとなっています。
――今、40nmプロセス品の話が出ました。Alteraのデバイスを生産するTSMCが28nmプロセスの提供を発表しました。次世代プロセスはどうなるのでしょう。
次世代のプロセスはTSMCとすでに着手済みと言えますが、どのプロセスを採用するかはまだ明らかにできません。デバイスの登場のタイミングですが、40nm品が出てくるまでに前世代から2年弱かかりましたので、そこを元に想像してもらえればと思います。
今後もプロセスの進化は止めるつもりはありません。Stratix IVはASICゲート換算で1,300万ゲート程度ですが、カスタマの中にはもっと多くのゲート数を求める方もいます。そうした要求をかなえるためにも今後も微細化は続けていきます。
――なるほど。では、最後に日本のユーザーに対してメッセージをいただければと思います。
日本のユーザーの皆様には感謝の一言に尽きると思っています。色々なアドバイスもいただいています。
Alteraがビジネスを成功させていくためには、カスタマの声が常に必要です。今後も、カスタマの声を聴いて、ニーズに合わせていくという基本を踏まえてコツコツとやって行きたいと思っていますので、是非、協力をいただければと思っています。