■消費電力
最後にこちらである。Windows起動後の無負荷時(Idle)と、SandraでArithmetic Benchmarkの実行中、Cache&Memory Bandwidthの実行中、TMPGEnc 4.0 XPで4本のエンコード中、及びLost PlanetでArea1の実行中の各々の消費電力を測定してみた。また無負荷時に関しては、コントロールパネルでPower SchemeをBalancedにした場合とHigh Performanceにした場合の両方を見ている。
結果はグラフ30の通りである。もともとRadeon HD 4870などを搭載している関係もあり、何もしない状態でも結構な消費電力になるのは致し方ないところである。それはともかくとして、面白いのは、
- Core i7はBalandedとHigh Performanceで消費電力の差が殆ど無い。
- Core i7の待機時とフル稼働時(例えばSandra Arithmetic Int)の消費電力の差が非常に大きい。
というあたりであろうか。
まずBalancedとHigh Performanceで差がないのは、Power Gateの効果で、C6に入ると完全にコアへの電力供給が止められてしまう事にも関係していそうだ。Windows Vistaだから、待機といっても何だかんだバックグランドで動いているのは間違いなく、なので全コアがC6に入れる頻度はかなり少ないと思われる。Core 2の場合、こうした状況では電圧がなかなか下がらず、結果としてリークに伴う消費電力が馬鹿にならないのだが、Core i7では動いていないコアは全部C6 Stateで電源供給をカットしてしまうので、電圧が高くても実害がすくないということになる。
ただ、フル稼働時の消費電力はCore 2を上回っており、このあたりは性能アップ分がそのまま消費電力に反映された感がある。
このうちArithmetic Intの結果を環境別に見たのがグラフ31である。
判ることは、
- Hyper-Threadingを有効にすることで、消費電力が20W前後増加する。
- SSDを使うことで、消費電力が20W前後減少する。
というあたりか。どちらも理に適った話であり、後は性能とのトレードオフということになるだろう。
まとめ
ということで、取り急ぎ性能レポートをまとめてみた。今回は全体的な性能を示すのが目的で、細かい分析は改めてレポートを用意したいと思う。また今回は触れていないが、メモリ構成による性能への影響とか64bitへの対応、それと折角借用できたのでSSDに関してももう少し細かく分析を行ってみたい。とりあえず現状で言えることは、
- 確かに同一周波数のCore 2と比較して、同等以上の性能を持っている。
- Hyper-Threadingについては、かつてのPentium 4の時ほどの有効性はない。個人的にはエンコードとかをするのでなければ、無効にしておくことをお勧め。
- SSDに関しては、言われているほどの性能は出ないっぽい。ただし省電力性には大いに貢献する(問題は価格だろう)。
といったところであろう。
ということで、引き続き詳細なレポートを楽しみにして頂きたい。
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