新しい私を楽しんでほしい
――2008年は出演する映画が5本も立て続けに公開されるなど多忙な日々ですが、オフの日はゆっくり休めていますか?
田中「オフは最近ないですね(笑)。夏休みはいただいたんですが、旅行には出かけずに、カフェでお茶したり、映画や演劇を観たり、お酒を飲んだり、おうちのことをやったり。普通の生活に戻る時間でしたね」
――映画や演劇に行ったり……、とオフの日でもやっぱり"お芝居"中心の生活なんですね。
田中「休みの日は、芝居は観ないという俳優さんもいるんですけどね。私は、時間があるときには、映画を観にひとりで出かけたりもするほうです」
――慌しい毎日の中で、息抜きにしていることはありますか?
田中「音楽を聴いたり、ストレッチしたりですかね、普通ですけど(笑)。あとは、食べることかな。チョコレートとか甘いものもよく食べますし。でも、今は演じていることがすごく楽しいので、疲れに気付かないんですよ。稽古が終わった後も演技のことがずっと頭の中でリフレインしていて。だから、監督たちとごはんを食べながらバカバカしい話をしている時間っていうのが息抜きにもなっているし、すごく助かっています」
――最後に、初舞台への意気込みを教えてください。
田中「一生に一度しかない初舞台なので、思いっきり恥をかくくらいの気持ちでやりたいですね。今までとは違う自分や、今まで出してこなかった自分、自分でも気付いていなかった自分……、ある意味で新しい姿がきっと見せられると思うので、そんな私を面白く観ていただければ嬉しいです」
今後の目標をきくと、「今は目の前の舞台のことしか考えられない」と応じる田中が、初舞台をどう演じきるのか期待が高まるばかり。デビューから10年経った今も、「演じることがすごく楽しい。役者を続けていきたい」と笑顔で語る彼女が少し羨ましくもある。
田中麗奈的「和の時間」
中国映画好きでも知られる田中さん。中国語を学ぶ一方で、茶道を始めたのも中国ドラマ出演がきっかけになっているという。「中国ドラマの撮影現場で、俳優さんたちが自分の国の文化芸能をちゃんと勉強されていて、中国の俳優ってことに誇りをもっていたんです。そう考えると、私って自然体というか技がないなって(笑)。どこかで日本の女優と言えるものをもっていたいなと思ったんです」。茶道、華道のほか、最近では日舞も始め、稽古先には自身で着付けし着物で出かけることもあるとか。彼女の凛とした雰囲気はそんなところにも由来しているに違いない。
『思い出トランプ』
日程:2008年10月10日(金)~10月19日(日)
会場:青山円形劇場(東京・渋谷)
原作:向田邦子[小説『思い出トランプ』(新潮社)より]
作・演出:田村孝裕(劇団ONEOR8)
キャスト:田中麗奈、根岸季衣、山口良一、阿知波悟美ほか
料金:当日6,000円(全席指定)