新人賞を総なめした女優デビュー作『がんばっていきまっしょい』から10年。実力派"映画女優"して確固たる地位を築いてきた田中麗奈が10月に、向田邦子原作『思い出トランプ』で初舞台に挑む。2008年春には初の連続TVドラマ主演を果たすなど活躍の場を広げる彼女に、今の心境をうかがった。
自分の中に芯をもちたい
――デビュー以来、映画を中心に活躍されてきましたが、今回初めて舞台に出演されるきっかけとなったものはありますか?
田中麗奈(以下、田中)「映画の仕事を通して出会った俳優さんたちに舞台を経験されている方が多かったんです。その方たちに演劇の話を聞いていて、『そんなに舞台って面白いのかな。どんなものなのかな?』って気になっていたり、舞台に対する興味が自分の中に知らず知らずのうちにあったんだと思います。でも、本当に『やりたい』と口に出して言うようになったのは、今年に入ってからですね。役者として力をつけたいし、勉強したいと思っています」
――実際に舞台を観に行かれたりもしますか?
田中「行きますよ。何度か共演させていただいていて自分の中でお兄さん的存在の堤真一さんの舞台は、観ていてエネルギーに圧倒されたり、すごく刺激になりますね。私も舞台では、観客の方たちと触れ合えたらいいなと思うのですが、今は、正直そこまで考えられていないですね(笑)。本番に向けて稽古場でお芝居をつくりあげていくっていうのがすごく新鮮だなと思っています」
――舞台以外にも連続TVドラマ(『猟奇的な彼女』)に初主演されたりと、デビュー10周年の今年はチャレンジが多いですよね。
田中「偶然にタイミングが合っただけなんですけど、不思議な一年ですよね。今は、もし誰かに求められたら、思いっきりやってみたいです。歌でも、ミュージカルでも (笑)」
――初の連続ドラマ主演を通して何か新しい発見はありましたか?
田中「"ドラマ"という今までとは違ったフィールドに出ていったことで、自分の弱かった部分にも気付けました。だからこそ、やっぱりしっかり力をつけないと、って思いましたね」
――それはどんな作品でも対応できる幅の広さを持ちたいということですか?
田中「自分の中に軸が欲しいな、と。軸がぶれるとバラバラになってしまうと思うし、気持ちも弱くなってしまうと思うので、自分の芯となるものをしっかり持っていたいと思っています。軸を太くして、ちゃんとエネルギーをもって演じたいのでそういう意味で強くなりたいというのがありますね」……続きを読む