無数に広がる関連性をひと目で理解する"鳥式改"
筆者がもっとも興味を持ったのが、「概念辞書とそれを用いた検索支援」という、わかるようなわからないような、一見つかみどころのないシステムだ。早速、解説員にその内容について解説をしていただいた。
「具体例を出して説明しましょう。例えば"りんご"という単語で検索した場合、「ダイエット」や「ジュース」、「角切り」や「すり下ろし」、「買う」や「八百屋」、「青森」や「富士」など"りんご"という単語に関連する生きた意味的関連を記述するのです。どのワードも"りんご"に関連するものですが、それぞれ見ている視点が異なるのです。こうした概念を付加した検索が行えるシステムなのです」
……ほう。これは、面白い。素直に筆者は思うとともに、「原稿執筆に困ったとき、ウンチクを織り込んでお茶を濁すなんて場合に最適だ!」などと不謹慎にも思ってしまった自分を戒めたい。それはさておき、自分では思いもしなかった関連性が次々に表示され、しかも有用な情報を検索することができる「鳥式改」。
様々な可能性を秘めいている概念辞書の研究・開発は現在も続けられており、5年後には250万もの日本語をカバーする予定で、英語版の構築も視野に入れているという。ちなみに、何故「鳥式改」なのか、興味本位で尋ねてみた。「じつはこのプロジェクトを推し進めている教授が鳥澤というのです。もともとは情報爆発プロジェクトの一環として北陸先端科学技術大学院大学で研究を行っていたものなのです」とのこと。早く我らにも遊ばせて……いや、有効に活用させていただきたいものだ。