連写後の後処理がラクな「画像選択保存」
高速連写やハイスピードムービーは、やはりスゴイ。肉眼で見えないものが簡単に撮影できる。連写はEX-F1のように撮影中に速度を変えることはできないが(動画は変更可能)、シャッターボタンを押す前のシーンが撮影できる「パスト」機能は装備している。
40枚/秒の高速連写は、あっという間に撮りきってしまう。「ブーン」といった音がしたかと思うと、もう40枚の撮影が終わっている。普通の一枚撮影とはちょっと違った、妙に緊張感のある撮影になる。
高速連写ではシャッター速度が1/4000秒まで速くなる。きれいに撮るには圧倒的な光量が必要だ。室内で撮影した際、被写体のすぐ脇に300Wの撮影用タングステンライトを置いて照らしたが、それでもISO感度は簡単にISO 1000を超えた。大層なセットは組んでいないが、高速連写には作り込んでいく楽しさがある。
撮影直後には「保存方法選択」メニューが現れる(固定にしてメニューを出さないことも可能)。高速連写では、この中の「画像選択保存」がとても便利だった。スローで再生しつつ、いいカットだけを保存できる機能だ。メモリーカードを節約できるだけでなく、後で写真を選ぶ手間を省いてくれる。後で選んでも作業量は同じだと思うかもしれないが、撮った直後のほうがポイントがよくわかるから、写真選びもラクなのだ。もちろん次から次へシャッタータイミングが現れるような撮影では「全画像保存」にすべきだが、自分でセットを組むような撮影なら、「画像選択保存」をぜひ活用してほしい。
連写した画像は、すべて保存のほか、選択してから保存することもできる |
「画像選択保存」を選ぶと、コマ送りで表示されるので、シャッターボタンで選択する |
保存方法を毎回確認するのが面倒なら、事前に決めておくこともできる |
連写の再生画面。一枚ずつではなく、連写した画像がグループとして表示される |
連写画像はコマ送り状態で再生される。止めることも可能 |
高速連写でミルククラウンを撮影してみた(トリミング)。タングステン光のためか、黄色くなった |
通常の動画なら、撮影中のズームも可能
ハイスピードムービーは時間がゆっくり流れて見える。高速連写と同じように、肉眼では見えないものを、連写とは違った方法で見せてくれる。
動画となるとズームが必須だ。数秒で撮影が終わってしまうハイスピードムービーではズームはできないが、HD/STDムービーならちゃんとズームできる。しかもズームが20倍もあるから使いでがある。ただ、動画の撮影中にズームを行なうと、モーターの音が録音されてしまう。そこでEX-FH20では、「ズームオフ+録音オン」もしくは「ズームオン+録音オフ」のどちらかを選択できるようになっている。ただし「ズームオフ+録音オン」でもデジタルズームは使用できるので、録音もしたい、ズームもしたいという場合には便利だろう。
再生時、十字キーの操作で画像が次々と表示されるが、連写した画像が延々続くのは見づらいものだ。EX-FH20の場合、動画や連写で撮影した画像は、一枚撮影とは違った表示で見せてくれる。動画はフィルム風の飾りが付き、連写の画像は複数枚が重ねられたようなひとつのグループとして表示される。とてもわかりやすくていい。「SET」ボタンを押せば動画は再生され、連写画像は順に表示される。「SET」ボタンで止めることもできる(ポーズ)。
静止画の再生では、最大倍率は8倍まで。ピントの確認には十分だ。サムネイル表示は25枚の同時表示までできる。また、画像の拡大はズームレバーを使用するが、「MENU」ボタンひとつで元の大きさ(全体表示)まで戻ってくれる。これも便利に感じた。
動画や連写時の注意がひとつ。バッテリーが意外に早くなくなることだ。撮影には三洋電機のエネループを使用したが、動画や連写を繰り返していたら、2時間程度でカラになった。しかしEX-FH20は単3形の電池が使えるので、いざとなったらコンビニで乾電池を買ってくればいい。もちろん長い目で見れば、充電式の電池を複数セット用意したほうが経済的だが。