UFC88の会場となったジョージア州アトランタのフィリップスアリーナ。通常はホークス(NBA)とスラッシャーズ(NHL)の試合が行われるホームアリーナだ。NBAとNHLの試合以外に、コンサートやイベントなどにも使用されている。関係者の話によれば、フィリップスアリーナで行われた過去10年間の試合やイベントの中でも、1日当たりの興行成績は今回のUFC88が最高のものだと言う。ちなみにフィリップスアリーナの隣には、ファルコンズ(NFL)のホームグラウンド、ジョージア・ドームもある。MLB(ブレーブス)以外のメジャースポーツは、この周辺で観戦することができるのだ。

UFC88が開催されたアトランタのフィリップスアリーナ

そのフィリップスアリーナで、試合の前日に計量が行われた。この計量は試合前日に行うUFCの恒例行事。こちらはチケットを手にできないファンのためにUFCが開いているサービスイベントだ。4000人もの観客をフィリップスアリーナに入れて計量を行ったが、試合と同じようにファンの盛り上がりは相当なもの! いかにUFCが人気なのかを体感するとともに、試合はもっと盛り上がるのだろうという期待感が膨らむのだった。

計量式で睨み合うチャック・リデルとラシャド・エバンス

計量中のリデル

ラウンドガールではなく、オクタゴンガールと呼ばれる女性も、計量式に参加

長南亮選手が登場

試合当日。開場してから入口で並んでいた観客が津波のように押し寄せる。試合がまだ始まっていないというのに、客席は既に満員状態。UFCの人気を物語るがごとく、観客の盛り上がりは試合が迫るごとにヒートアップする。オープニングのセレモニーが終了して、いよいよ試合がスタート! まずはアンダーカードといわれている4試合が行われた。

○アンダーカード

長南亮(日本)×ホアン・カルネイロ(ブラジル)
ジェイソン・マクドナルド(カナダ)×ジェイソン・ランバート(アメリカ)
マイケル・パット(アメリカ)×ティム・ボッシュ(アメリカ) カート・ペレグリーノ(アメリカ)×チアゴ・タバレス(ブラジル)

第1試合目から、日本の長南亮選手が登場! 相手は2005年にDEEPで勝利したブラジルのホアン・カルネイロだ。UFC初勝利を目指す長南にとっては、一度勝利したことのある相手なだけに、負けられない一戦。第1Rから激しい攻防が展開した。スタンドからグラウンドへと変わり、長南がホアンの上に乗って優勢な位置取りをキープするが、カルネイロも負ていない。下から長南の首や手を間接で締め、上に位置取り長南を苦しめる。グラウンドから再びスタンドへ。長南がキックを繰り出すと、会場から悲鳴が沸き起こった。どうやら会場はホアン贔屓らしい。第1R終了後、会場に設置された画面に右目を負傷した長南が映し出されていた。そして第2Rへ。長南が繰り出したキックで会場は沸くものの、第2Rは膠着状態。会場からはブーイングが巻き起こった。第3Rも両者決定的な場面を作れず判定へ。判定結果は、2-1と僅差ながら長南が勝利!「心から喜べる内容ではなかったが、次につながる試合」と語った長南が、辛勝ながらも記念すべきUFC初勝利を飾った。

お面を付けたパフォーマンスで会場を沸かしながら、オクタゴンに登場した長南選手

ほか、第2試合はジェイソン・マクドナルドが第2Rでチョークスリーパー勝ち。第3試合はティム・ボッシュが第1Rに放ったスタンドパンチでTKO勝ち。第4試合はカート・ペレグリーノが3-0で判定勝利を収めた。

第2試合のジェイソン・マクドナルド(カナダ)×ジェイソン・ランバート(アメリカ)

第4試合のカート・ペルグリーノ(アメリカ)×チアゴ・タバレス(ブラジル)

続いて、いよいよメインカードの5試合が行われる。……続きを読む