アメリカ現地時間の9月6日、ジョージア州アトランタのフィリップスアリーナで「UFC88 BREAKTHROUGH」が開催された。地元アトランタの観客以外にも、全米各地から熱心なファンが訪問。全米やカナダを含めた世界170カ国で放送され、新聞やネットなど各メディアで扱われて大きな話題を呼んだ。日本からも同大会に長南亮選手が参戦した。本誌では現地取材を敢行。全米はもちろん、今や全世界から注目を集めているUFCの最新大会を誌上レポートする。

ジョージア州アトランタのフィリップスアリーナで行われた「UFC88 BREAKTHROUGH」。写真は、チャック・リデル×ラシャド・エバンスの試合の模様

米国ジョージア州アトランタで初めて行われた「UFC88 BREAKTHROUGH」。格闘技ファンには今更説明するまでもないが、詳しくない方のために説明すると、UFCは全米で最高の総合格闘技イベントで、まさに"メジャーリーグ"とも言える総合格闘技だ。"ミスターUFC"と呼ばれ、今回のメインイベンターでもあるチャック・リデルは「オリンピックを考えてくれ。オリンピックの全ての競技を合わせたものが"UFC"だ。ボクシング、柔道、キックボクシングなど、選手たちはそういった技術の全てをトレーニングし、一つにまとめなければならない。本当にたくさんのトレーニングや技術を要するスポーツだ」と語っていた。日本の長南亮や今回は対戦相手カロ・パーリシャンの不参戦で急遽試合が中止となった吉田善行曰く「総合の世界最高の選手が集まっている最高の舞台」と語るように、地球規模でも最高の総合格闘技イベントと言えるだろう。「以前のプライドよりレベルが高い」と語っていた長南の言葉からもUFCのレベルを窺い知ることができる。

今回残念ながら試合が中止となった吉田善行(左)とUFC初勝利を上げた長南亮

UFCの代名詞でもあるオクタゴン

また、UFCの代名詞でもある"オクタゴン"も他の総合とは異なる点だ。この"オクタゴン"とは、金網でリングを囲んだ八角形のリングの呼称。「リングから落ちてしまうことがないので自分にとっては戦いやすい」とリデルは語っていたが、外と完全隔離されたオクタゴンの中からは逃げる場所などなく、その恐怖感と言ったら想像を絶するものがある。オクタゴンの広さは日本の畳に換算すると約42畳。その広さに驚嘆する選手も多いという。

オクタゴンに近づいてみると、かなりの広さに驚かされる

かつては体重無差別のワントーナメント形式で開催されていたが、現在はヘビー級、ライトヘビー級、ミドル級、ウェルター級、ライト級といった5つの体重制が確立され、体重別にタイトルマッチが行われる。そんなUFCに現在、日本でも馴染みのあるアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(現UFCヘビー級暫定王者)、ヴァンダレイ・シウバなどが参戦中で、日本人選手では岡見勇信選手がミドル級の王者を狙える位置にまできている。……続きを読む